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呂暇郁夫『リベンジャーズ・ハイ』感想|『楽園殺し』を楽しむために

 

どうも、トフィーです。

 

今回は、呂暇郁夫先生のライトノベル『リベンジャーズ・ハイ』を紹介したいと思います。
実はこの作品、ずっと前に読了していたのですが、この21年6月に呂暇先生の新作『楽園殺し』が発売されるとのことで、改めて読むことにしました。

 

ここで長々と書くのもなんなので、先にひとつだけ述べておきます。

ハードなライトノベルが好きな方は、絶対に読んだ方がいいです。

 


リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

 

1.あらすじ

 

スタイリッシュな近未来SF×復讐譚。

第13回小学館ライトノベル大賞 優秀賞受賞作!!

砂塵という有害物質による“塵禍”で文明が一度滅びた近未来。
砂塵を取り込んで異能力に変換できる“砂塵能力者”が力を持つようになっていた。
ここ偉大都市において、チューミーは、因縁の復讐相手“スマイリー”の行方を探りながら、復讐のためにその日暮らしの生活を送っていた。
情報を追って踏み込んだとある教会で、チューミーは治安維持組織である“粛清官”の大物、ボッチ・タイダラに身柄を拘束されてしまう。
絶体絶命のチューミーだったが、ボッチからの意外な提案を受け、一時的に粛清官に協力することに。パートナーとしてあてがわれたのは「これまでバディを解消されてばかり」というワケありのシルヴィ。正反対の性格と出自を持つ二人は、はじめは反発し合うのだが……。

小気味よい筆が紡ぎ出す、唯一無二で圧倒的な世界観!!

バディものの王道でありながら、「異端」である二人を見事に描き出し、斬新なキャラ設定には舌を巻くこと間違いなし!
実力派新人による近未来SF復讐譚をお楽しみあれ!!

引用:リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

 

 

2.『リベンジャーズ・ハイ』感想・レビュー

a.評価と情報

個人的評価:★★★★★
ガガガ文庫
2019年6月刊行 
第13回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」を受賞

 

ガガガ文庫の小説賞で「優秀賞」を受賞した作品。
受賞時とタイトルは同じです。

 

同じ回の受賞作だと、八目迷先生の『夏へのトンネル、さよならの出口』や裕夢先生の『千歳くんはラムネ瓶のなか』などがあります。
また、裕夢先生にかんしては、『リベンジャー・ハイ』や同じ世界観をもって描かれる『楽園殺し』を激推しされていたりと、お墨付きもあります。
※『楽園殺し』については、また別途記事にまとめます。


この2作品については、当ブログですでに紹介させていただいているので、もしよければご覧ください。


『夏へのトンネル、さよならの出口』

www.kakidashitaratomaranai.info

『千歳くんはラムネ瓶のなか』

www.kakidashitaratomaranai.info

 

 

 

また、『リベンジャーズ・ハイ』と共通した世界観で展開されていく物語『楽園殺し』も発売されております。
今作の続刊に当たる物語ではありますが、『楽園殺し』から読み始めても問題のないような構成になっています。

 

※とはいえ、個人的には『リベンジャーズ・ハイ』から読み進めることをお勧めしています。
気になった方はこちらもチェックしてみてください。

www.kakidashitaratomaranai.info

 

b.ストーリー・キャラクター紹介

良質な復讐&バディもののSFファンタジーでした。
作りこまれた世界観に、手に汗握る熱いバトルとストーリーが魅力的な物語です。

 

舞台はあらすじにある通り、有害な【砂塵】によって一度文明が滅びたあとの近未来の【偉大都市】
偉大都市では、砂塵を取り込む異能を操る【砂塵能力者】が台頭しています。

 

この作品は2019年の6月に刊行されましたが、砂塵が舞い、生活にマスクが必須という世界観設定は今の社会と通じるものがあり、どこか不思議な感覚です。
(こういうのって、SFならではですよね)

 

さて、話を戻します。
人体に有害な砂塵により、外を歩くにはマスクが必須となってしまったために、主人公のチューミーも黒犬のマスクを着けて活動しています。
チューミーは、肉親を殺した因縁の相手を探しながら殺し屋として活動しており、【掃除屋】と呼ばれていました。

 

そんなチューミーですが、ある日、治安維持組織【粛清官】のなかでも最上級の階級に属するボッチ・タイダラに遭遇し、捕らわれてしまいます。
生殺与奪の権は粛清官次第、そんな状況の中で、チューミーはある提案を持ちかけられます。

 

それは、訳ありの粛清官の少女・シルヴィとバディを組み、ある犯罪者を追いかけるという内容でした。
そして、その人物こそが、チューミーの追い求める復讐の対象だったのです。

 

ネタバレに配慮して、ストーリーの流れについてはこのあたりでストップさせていただきます。
ただ、付け加えていうのであれば、この先にはいくつもの爆弾が仕掛けられており、読み進めるたびにあっと驚かされることになるかと思います。
話の内容自体はかなり重めではありますが、読み応えのある物語を好む方には突き刺さりやすい1冊ですので、もし気になった方はチェックしてみてください。

この作品単体でもきれいにまとまっていますが、続刊とも呼べる小説『楽園殺し』も刊行されましたので、複数巻にわたって楽しみたい方にもおすすめです。

 

www.kakidashitaratomaranai.info

 

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他にも当ブログでは様々なライトノベルを紹介しています。
もしよければ、ご覧ください。

www.kakidashitaratomaranai.info

 

※この先、『リベンジャーズ・ハイ』についてのネタバレが含まれています。
未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.『リベンジャーズ・ハイ』ネタバレありの感想

主人公のチューミーが、兄と妹のどちらなのかという叙述トリック的なネタが仕込まれていたり、その正体が妹の体に魂を宿してしまった兄のシンだったりと、一味変わった驚かせ方に思わず唸らされました。
本当に、もうっ!(語彙力の消失)

 

シルヴィの出自や、危機の回避にも役立った「能力を無効化する能力」など、チューミー以外にも驚きが用意されているのもまたにくい。

 

驚きだけではなく、エンディングも最高でした。
ずっとマスクで顔を隠してきたチューミーが、最後の最後にマスクを取った状態でシルヴィと再会し、再度バディを組むことを告げる。
ずっと冷徹に心を閉ざしていたチューミーが、一つの事件を経て心を通わせて笑みを浮かべてくれば、それはシルヴィの涙腺も緩みますし、なんなら私の涙腺も緩みました。