お久しぶりです、トフィーです。
前回の記事更新からずいぶんと月日が経ってしまいました。
久々のブログ記事の更新で、感想の書き方を忘れつつあります……。
ただ幸いにも(?)ブログを書いていない間も、ライトノベルや漫画やアニメや映画にはたくさん触れてはいましたので、ネタは豊富にあります。
今回はそんな大量の物語たちのうち、昨年読んだライトノベルのなかでも、個人的に特にオススメさせていただきたい1冊を紹介させていただきます。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
1.あらすじ
ネタバレに触れない範囲でサラッと概要を説明すると……。
「陸軍に所属する悪魔祓師(エクソシスト)の少年と、腕を無くした大悪魔の少女が契約を結び、明治の時代に蔓延る魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちと戦う物語」
と言った感じでしょうか。
また、あとがき情報ですが、作者の明治サブ先生曰く、主題はあくまでも「弩(ど)ヱロ可愛い可愛いサキュバスお姉さんと年下の少年による、おねショタ恋愛新喜劇(ラブコメディ)」とのこと。
「このタイトル、このあらすじ、この表紙でおねショタラブコメ⁉」と思われる方もいるかと思いますが、読んだ自分の感想としては間違ってはいないと思います。
詳細なあらすじは、以下の通りです。
スニーカー大賞〈金賞〉悪魔祓師の少年と悪魔の少女、その出逢の果ては――
◇明治三十六年十一月一日/神戸外国人居留地
悪魔祓師の神童・皆無は、軍の任務中に心臓を貫かれ致命傷を負った。死にゆくなか、どこからか心地よい声が響く。「人の子よ、そなたに第二の心臓を呉れてやろう。その代わり――予と煉獄の先の覇道へ、ともに征こうぞ」
現れたのは、天使とすら見紛う少女・璃々栖。「七つの大罪」に名を連ねる悪魔で――そして、彼女には腕が無かった。
悪魔の力と引換えに、璃々栖と一蓮托生の命となった皆無。二人の旅路の果ては、煉獄での終焉か、未来を掴む覇道か――明治悪魔祓師異譚『腕を失くした璃々栖』、ここに開幕す。
2.感想・レビューなどなど
個人的評価:★★★★★
作者:明治サブ先生
イラストレーター:くろぎり先生
刊行レーベル:スニーカー文庫
2022年12月1日発行
第27回スニーカー大賞 《金賞》受賞作
さて、感想・レビューに移りましょう。
『腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~』ですが、以下のような方には非常にオススメな作品です。
- 厨二バトルものが好き
- 男女バディものや、ボーイーミーツガールが好き
- 最近の流行りとはまた違った面白いライトノベルを読みたい
- 「和風ファンタジー」や「ダークな雰囲気の物語」が好き
またあらかじめ告白しておくと、試し読みなどで冒頭数ページに触れていただけるとわかるのですが、序盤から中二的な用語をゴリゴリに載せまくった文章で正直に言うと読みにくさを感じはします。
ただ、そこを乗り越えたらかなりハマれる面白い作品でした。
「今年(2022年)読んだラノベのなかで一番面白かった」と言っていた知人が数名いるのですが、それも納得。
個人的にもトップ3に入るくらいにハマった作品で、続刊を切望しています。
ですので、本作に興味をお持ちの方は、まずは璃々栖(リリス)との出会いの場面まで読み進めてみてください。
では、ここから『腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~』のなかで、個人的に特にここに惹かれたという点をピックアップしていきます。
キャラクターが魅力的
主人公の皆無(かいな)とヒロインの璃々栖(リリス)の両キャラクターとも立っていて、とても魅力的でした。
まずは主人公の少年、阿ノ玖多羅 皆無(あのくたら かいな)。
彼の父、阿ノ玖多羅 正覚(あのくたら しょうがく)は、日本最強の悪魔祓師(エクソシスト)で、そんな父を持つ子どもとして複雑な感情を抱えています。
けれども皆無自身も優秀で、周りと比べて幼いながらも少佐の階級まで昇りつめた神童です。
それがまた彼の立ち位置を複雑にしてしまってはいるのですが、様々な葛藤を抱えながらも、璃々栖(リリス)と出会い、共に戦っていくなかで成長していく彼の姿は非常にかっこよかったです。
次に悪魔の姫、璃々栖・弩・羅・阿栖魔台(リリス・ド・ラ・アスモデウス)。
本作のヒロイン・璃々栖(リリス)ですが、出会った時にはそこはかとなく不気味で、主人公からすれば恐ろしくはあるものの、見るものを惹きつける魅力があり、けれどもやはり討伐すべき対象でした。
そんな彼女も物語が進むにつれて、逞しいところや可愛らしいところなど新たな顔を見せてきて、全6章中の第2章の段階ですっかり虜になってしまっていました。
不気味だけど魅力的、カッコイイけど可愛らしい、逞しいけれども守ってあげたくなるなど、色んな感情を湧き起こさせてくれるヒロイン力の高いキャラクターでした。
他にも先ほどチラッと名前を出した父の正覚や、主人公の先生・愛蘭(エイラム)、リリスの近衛の悪魔・聖霊(セアル)など魅力的なキャラクターがたくさん登場しています。
またくろぎり先生によるカラーイラストが非常に美麗なのも、非常によきよきで相乗的に魅力を引き立たせていました。
情報の出し方/伏線回収が熱い
次に言及したい点として、怒涛の伏線回収が熱かったです。
具体的に語ってしまうとネタバレになってしまうので詳細については触れませんが、大きなものから小さなものまで含めて、「あ、あの時の台詞や設定が生きてくるのか!」という箇所が随所にあり、爽快感がありました。
終盤まで読むと、本当に設定に無駄がなく、緻密に組み上げられた物語だったなあ……と思いました。
1冊でエピソードが綺麗にまとまっている
1巻内で綺麗に一つのエピソードが完結していて、読み応えがありました。
ストーリーもいい意味で王道的なパターンのもので盛り上がりポイントが何点かあり、飽きを感じにくい構成でした。
1章で出会い、2章でラブコメパートを経て、そこから物語が目まぐるしく変化していきます。
各パートそれぞれに楽しみどころがありつつ、それらのパートでのシーンが次の章でのドラマに繋がっているので、キャラクターの心情にも納得できるし、物語への没入感もページが進むごとに上がっていきました。
そういったこともあり、しっかりと筋の通った物語を読みたいという方には非常におすすめです。
以上が『腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~』の感想です。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございます。
以下に、本作とあわせてオススメしたい作品の感想記事を載せていますので、作品探しの参考に活用いただけると幸いです。
・硬派な雰囲気のバディものです。
www.kakidashitaratomaranai.info
・近未来を舞台に繰り広げるダークなバディもの。
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・王道的な熱いバトル&圧倒的なボーイーミーツガールです。
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・こちらは、よりダークなファンタジーを読みたい方におすすめです。
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