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リア充爆発し……なくていいや‼ 最高‼
どうもトフィーです。
今回は、裕夢先生の『千歳くんはラムネ瓶のなか』を紹介していこうかと思います。
ライトノベルの中では、それもラブコメ系のラノベの中では珍しく主人公・千歳朔(ちとせさく)は超絶リア充。
その設定が前々から気になっていてようやく手に取ったわけですが、斬新さと王道のバランスが調度いい具合のバランスになっていて、非常におもしろい一冊でした。
なんだか紹介するライトノベルの割合がガガガに偏ってきている気がしますが、面白いんだからしょうがないですよね。
【追記】『このライトノベルがすごい! 2021』で文庫部門・第1位を獲得しました!
1.あらすじ
主人公は、超絶リア充。
『五組の千歳朔はヤリチン糞野郎』
学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。
彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。
圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖。
努力型の後天的リア充・内田優空。
バスケ部エースの元気娘・青海陽……。
仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔はとある引きこもり生徒の更生を頼まれる。
これは、彼のリア充ハーレム物語か、それとも――?
第13回ライトノベル大賞、優秀賞受賞。
新時代を告げる“リア充側”青春ラブコメ、ここに堂々開幕!!
2.『千歳くんはラムネ瓶のなか』1巻感想・レビュー
a.評価と情報
評価:★★★★☆
ガガガ文庫
2019年6月刊行
第13回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」受賞
『このライトノベルがすごい! 2021』文庫部門第1位、キャラクター男性部門にて主人公・千歳朔が第4位
略称は『チラムネ』らしいです。
「なんともまあ///」といった胸の高鳴る愛称ですが、ファンの間ではこのように呼称されて親しまれているようです。
ちなみに受賞時のタイトルは『ラムネの瓶に沈んだビー玉の月』です。
これもまたおしゃれな感じですが、ぼく個人としては今のタイトルの方がしっくりと来る気がします。(ただ単純に見慣れたからかもしれませんが、キャッチーでいいですよね)
第13回の受賞作には、このブログでもとりあげた『夏へのトンネル、さよならの出口』があります。
あちらではまた違った青春ストーリーを見ることができるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
www.kakidashitaratomaranai.info
さて、話を戻します。
『千歳くんはラムネ瓶のなか』ですが、新人賞作品でありながら重版を繰り返すような異例の作品です。
作品の雰囲気としては、同じガガガ文庫・小学館ライトノベル大賞発の作品である『弱キャラ友崎くん』が近い感じでしょうか。
エゴサの神・屋久ユウキ先生著のこの作品ですが、アニメ化も決定していて非常に勢いがあります。
この2作を含めて、ガガガのラブコメが本当に熱い‼
さて『弱キャラ友崎くん』という作品の内容としましては、主人公の友崎文也(ともざき ふみや)が、超絶リア充のヒロイン日南葵(ひなみ あおい)の指導を受け、コツコツと努力を積み重ねてリア充へと近づいていくという成長物語です。
『千歳くんはラムネ瓶のなか』にもこのような要素があり(ただしこちらは、主人公が引きこもり男子を導くという形のため、また全然違ったストーリーとなっています)、『弱キャラ友崎くん』が好きな方であれば、この作品もまた同じように楽しむことができるでしょう。
当然逆もまたしかりです。
また、すでにコミカライズもされているようです。
気になるけど小説を読むのがだるいなーという方は、ぜひ漫画の方でサクッと(千歳朔だけに)チェックしてみてください。
寒いね。
千歳くんはラムネ瓶のなか 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)
【追記】
上述の通り、『チラムネ』が『このライトノベルがすごい! 2021』文庫部門第1位、キャラクター男性部門にて主人公・千歳朔が第4位という快挙を成し遂げました。
Twitterなどで10代の方を中心に盛り上がっているなぁ、という印象はありましたが、まさかここまで伸びるとは……。
という個人的な衝撃はさておき、裕夢先生、およびファンの方々おめでとうございます!
このまま順当にいけば、アニメ化もされそうですね。
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b.作品内容
ここからは、決定的なネタバレを避けつつ、『チラムネ』第1巻の内容を紹介していきます。
話題になっているだけあって、ストーリーもしっかりと面白かったです。
さっそく簡単に内容を説明していきましょう。
先述したように、この物語の主人公・千歳朔(ちとせさく)は超絶リア充。
美男美女のそろう華やかなグループのリーダー的な立ち位置に属していて、学内のカーストでもトップに君臨する最強の存在です。
こうして明言されているパターンは、ライトノベルの中ではかなり珍しい部類かと思います。
そのため物語の方も、かなりエッジの効いた内容になっているのかと予想しましたが、読み進めていくとどうやらそういうわけではなさそうです。
というのも一巻時点では、裏主人公が設けられています。
その人物の名前は山崎健太(やまざき けんた)。
彼は引きこもりのオタクの少年で、1年のある日を境に家に引きこもるようになってしまっていました。
2年生にあがりクラス委員長を任せられた千歳くんは、担任の先生から彼を連れてくるように依頼を受けます。
そうして自宅を尋ねてみると、彼はリア充である千歳くんに並々ならぬ敵意を見せ、自室のドア越しに悪態をぶつけまくります。
千歳くんは一回目の訪問では素直に引き下がりますが、彼が引きこもってしまった原因を分析し、二回目の訪問では普通ではない方法で健太の部屋へと突入することに成功します。
そうして一対一の状況を作り出し話を聞いてみると、健太は学外で起きたとあることが原因でリア充に恐れと敵対心を抱くようになってしまったことが判明。
紆余曲折を経て、健太が千歳くんのサポートを得ながら、彼が引きこもる原因となったリア充連中を見返すために奮起していくのです。
もう一度言っておきますが、あくまでもこの物語の主人公は千歳朔。
トップオブザリア充の視点による華やかな世界を中心に描きながら、それを彩る一つのスパイスとして健太の成長物語が添えられているといった感じでしょうか。
ただ、健太がひたむきに努力している姿を見ていると、裏主人公である彼のことも応援する気持ちが強まっていきますし、物語が進むにつれて千歳と健太の相互理解が深まっていく点も見ていて非常に面白いです。
もちろんラブコメに分類されるだけあって、表紙の少女・柊夕湖(ひいらぎ ゆうこ)を始めとしたヒロインたちも魅力的に描かれていて、そういったラブコメ要素を期待する方にも問題なく刺さる内容だと思います。
ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
当ブログ『書き出したら止まらない』では、他にも様々なライトノベル作品を紹介していますので、またよければ他の記事もご覧ください。
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