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海空りく『カノジョの妹とキスをした。』1巻の感想|いもキス

 

 

時には、不純愛ラブコメもいいじゃない 

 

どうも、トフィーです。

 

今回は、海空りく先生のライトノベル、『カノジョの妹とキスをした。』第1巻を紹介していきたいと思います。

 

『このライトノベルがすごい! 2021』文庫部門・第8位にも選ばれた作品ということで、大衆的な面白さは保証済み。
自分はとある理由から、この作品に手を出すことがなかなかできなかったのですが、いざ読んでみると刺さりに刺さりまくりました。

 


カノジョの妹とキスをした。 (GA文庫)

 

 

1.あらすじ

 

俺が人生で初めての恋人・晴香と、交際一ヵ月にしてやっと手を繋げた日、親が再婚し晴香そっくりな義妹が出来た。名前は時雨。似てるのも当然。時雨は家庭事情で晴香と離ればなれになった双子の妹だったのだ。

「情けない声。ホント可愛いなぁ、おにーさん」
「いけない彼氏さんですね。彼女と手を繋いでいる時に双子の妹のことを考えるだなんて」
「顔も体も彼女と同じ妹にドキドキしちゃうのは仕方ない。おにーさんは悪くない。悪くないんですよ」

淡い初恋に忍び込む甘い猛毒(あいじょう)。
奥手な恋人にはとても教えられない、小悪魔で甘えん坊な義妹との甘々"不"純愛ラブコメ――開幕!

引用:カノジョの妹とキスをした。 (GA文庫)

 

 

2.『カノジョの妹とキスをした。』1巻の感想・レビュー

 

a.評価と情報

個人的評価:★★★★★
GA文庫
2020年4月刊行
『このライトノベルがすごい! 2021』文庫部門・第8位/新作部門第5位
略称:『いもキス』

 

作者は、海空りく先生。
海空先生は、第2回GA文庫大賞《優秀賞》を受賞し『断罪のイクシード』でデビュー、その後に様々な作品を発表されています。
中でも『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』は、アニメ化もされています。

 


イラストは、さばみぞれ先生。
複数のライトノベルのイラストを手掛けられており、過去にこのブログで紹介した作品の中だと『声優ラジオのウラオモテ』も担当されています。

www.kakidashitaratomaranai.info

 

さて、『カノジョの妹とキスをした。』に話を戻しますが、上述の通りこちらは『このラノ 2021』において、文庫部門・第8位を獲得した作品です。
確かにめちゃくちゃ面白い物語ではありましたが、このような作風も10代にウケるんだなぁと……という驚いた覚えがあります。
またポイントの比率的には協力者票がかなり高かったことから、多くのラノベを読まれている方たちからしても満足のいく内容であることが分かります。


『このラノ 2021』のノミネート作品については、以下の記事でも触れていますので、もしよければご覧ください。

www.kakidashitaratomaranai.info

 

 

 

b.キャラクター紹介

佐藤博道(さとう ひろみち)

ルックス・運動能力ともに中の下で、勉強はそこそこできる平凡な男子高校生。
中学時代からの念願だったカノジョをに入れ、幸せな日々を送っていたが……。

 

 

才川晴香(さいかわ はるか)

ヒロインであり、博道の恋人
やさしく、かわいく、天然と文句なしの美少女うらやましい
主人公にぞっこんで、告白も晴香の方から。
勉強は苦手。

 

佐藤時雨(さとう しぐれ)

メインヒロイン
そう、カノジョはいるけどこの子がメインヒロイン。

博道とは同年代であり、物語の序盤で主人公の義妹となる。
また、両親(博道の父と時雨の母)が仕事のため海外に残り家を空けているため、1年間博道と2人で生活することになる。

 

晴香は両親の離婚により生き別れた実の姉で、姉妹の関係ねえこれなんて昼ドラ?
その容姿は晴香と瓜二つだが、純真無垢な姉とは異なり、揶揄い癖があり、小悪魔的な性格で、博道もドギマギさせられている。S気のある女の子っていいよね。


晴香のことを心の底から大切に思っており、彼女を不安にさせないために、少なくとも両親が帰ってきて2人暮らしの状況ではなくなるまでは、博道と家族関係になってしまったことは隠し通すことに。


 

姉の名前が「香」なのに対して、この子の名前は「時」なのは、タイトルも合わさって不穏な予感しかしません。

 

c.感想

さて超真面目なキャラクター紹介が終わったところで、次は読み終えての感想を。

 

ラブコメの勢いが熱く、多くの作品が生み出されている近年ですが、この作品はまた違う角度から攻めた内容となっていました。

 

タイトルだけの印象だと、カノジョの妹に惚れられてキスされて、「うわー!どうしようー!」とワタワタするような話だと想像していました。
しかし、キャラクター紹介で触れた通り、この『いもキス』はさらに一捻りも二捻りも加わった内容となっていました。
いやまさか、カノジョの妹というだけでなく、自分の義理の妹にもなるだなんて、さすがに予想できませんよ。

 

それからタイトルが『カノジョの妹とキスをした。』ということで、ネタバレにならないかと思うので言ってしまいますが、この作品には主人公にカノジョがいるにも関わらず、その妹とキスをしてしまうという浮気的な要素が含まれています。

 

時雨は自身の容姿が晴香と瓜二つであることを利用して、あの手この手で博道を揶揄っていきますが、そうしているうちに……というのがこの物語の大筋です。

 

そんな危険極まりない題材を扱っているのに、コメディの部分とラブ要素の演出、そして不純な愛の魅せ方が絶妙で、全体を通して高クオリティでまとめられています。
下手したら主人公・ヒロイン双方にヘイトが向きそうな内容なのに、各キャラが魅力的に描かれているのは、さすがとしか言いようがありません。

 

上で評価は☆5としましたが、ぶっちゃけ☆6をつけたいくらいには突き刺さったラブコメでした。
未読の方にはぜひ、読んでいただきたいです。

 

 

 

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また、当ブログでは他にも様々な物語を紹介しています。
もしよければ、次に読む作品探しにご利用ください。

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※この先、『カノジョの妹とキスをした。』1巻の重大なネタバレが含まれています。
未読の方はお気を付けください。

 

 

 

 

 

 

 

3.『カノジョの妹とキスをした。』1巻のネタバレありの感想

 

昼ドラのようにドロッドロな愛憎劇が繰り広げられるかと思いきや、意外にも清純な(?)作風でした。
爆弾こそ抱えてはいるものの、暗黒系ラブコメじゃなくて、むしろ健全(?)なボーイミーツガールだなというような印象を持ったまま読み進めていきましたが、12話あたりから不穏な空気に
そして最終14話でついに、時雨の想いが爆発してしまいます。

 

雨の中ずぶ濡れで帰宅した時雨が、なんとデートの疲れで眠りこけている博道にキスをしてしまうのです。
それにより、自身が博道に対して「恋」をしていることをはっきりと自覚し、2度目のキス。
ここで、博道は目を覚ましますが彼女は引かず、告白してから3度目のキスをし物語が締めくくられました。

 

時雨の一人称による、不穏で背徳的で破滅的で淫靡なこの描写には、思わず背筋がゾクゾクとしましたね。
それまでの日常シーンの描写も見どころ満載で、面白おかしく読み進めてはいましたが、最後の鮮やかなタイトル回収と臨場感あふれるキスシーンによって、自分の中でこの作品の総評が決定的なものとなりました。
いやこれ、ライトノベル作品のラブコメで、1番面白いと思いました。

 

あとがきでも触れられている通り、1巻は人間関係の構築回で、まだ一つ目の爆弾が投下されただけ。
カノジョとの本格的な板挟みも、ドロドロとした愛憎劇も、この段階ではほとんど描かれていません。
ただ、それでもインパクトのある終わり方でしたし、この1冊だけでも1つの物語として完結しているため、納得のいくエンディングだったかと思います。

 

タイトルに「妹」って付いているからって、食わず嫌いせずにさっさと読めばよかったです。
この作品を薦めてくださった知人の方には、最上級の感謝を。
2巻以降も絶対に買います。

 

PSあとがきの勢い好きです。

 

 

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