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どうもトフィーです。
今日は燦々SUN先生のライトノベル、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』を紹介していこうかと思います。
この小説ですが、実は発売前から色々と話題になっていて、ぼくにしては珍しく予約してまで購入しました。
以下でどのように話題になっていたのか、またどういった内容のストーリーなのかを詳しく紹介していきます。
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん (角川スニーカー文庫)
1.あらすじ
ただし、彼女は俺がロシア語わかることを知らない。
「И наменятоже обрати внимание」
「え、なに?」「別に? 『こいつホント馬鹿だわ』って言っただけ」「ロシア語で罵倒やめてくれる!?」
俺の隣の席に座る絶世の銀髪美少女、アーリャさんはフッと勝ち誇った笑みを浮かべていた。
……だが、事実は違う。さっきのロシア語、彼女は「私のことかまってよ」と言っていたのだ!
実は俺、久瀬政近のロシア語リスニングはネイティブレベルなのである。
そんな事とは露知らず、今日も甘々なロシア語でデレてくるアーリャさんにニヤニヤが止まらない!?
全生徒憧れの的、超ハイスペックなロシアンJKとの青春ラブコメディ!
2.『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(『ろしでれ』)感想・レビュー
a.評価と情報
個人的評価:★★★★★
角川スニーカー文庫
2021年3月刊行
作者は、燦々SUN(サンサンサン)先生。
イラストは、ももこ先生。
略称は『ろしでれ』。
発売前から、多くのラノベ読みや関係者に注目されていた作品。
発売前に公式Twitterのフォロワー数が1万5千人を突破し、同じくTwitter上で公開された漫画も大反響。
これで重版しなければおかしいくらいに、期待度マックスで世に放たれた『アーリャさん』ですが、ぼくもちゃっかりとAmazonで予約して購入しました。
【追記1】3月1日に即重版決定、また2巻の発売も発表されました。
絶対に売れるだろうと予想はしていましたが、まさか初日にこれらの発表が来るとは衝撃的です。
【追記2】 破竹の勢いで売れまくっていた『ろしでれ』ですが、5月19日に第6刷目・第7万部突破となることが発表されました。
これは最近のライトノベル史において、伝説級といっても過言ではありません。
わかりやすい押しポイントに、美麗なイラスト、さらにはアニメなどでの人気も根強かった「ロシア語」要素。
ちゃんと物語自体もしっかりと面白く仕上げられていますし、売れるのも納得だなぁと思います。
また最初からPVなどでガンガンと宣伝もかけられており、プロモーションの力を感じた一冊でもありました。
なんでこんなに売れるのかといえば、ヒロインが「銀髪&碧眼(通称:約束された勝利のルックス)」なんですもん。
それもこのイラスト、かなりの戦闘力。
今までの銀髪ヒロインの中でも、(当社比)トップクラスのビジュアルです。
こんなん買うっきゃないやないですか⁉
……テンションをもとに戻して続けます。
さて、そんな期待度マックスで購入した今作ですが、肝心の中身の方も文句なし、完成度の高い作品でした。
ハラショー‼
またあとがきによると、今作は燦々SUN先生のデビュー作で、小説家になろうで出していた短編がたまたま編集さんの目にとまった結果、出版にまで至ったようです。
なろうから書籍化されている作品は、近年ではそれほど珍しくなくなってきていますが、短編からの書籍化は比較的少ないほうかと思います。
b.キャラクター・ストーリー紹介
ヒロインの少女、アリサ・ミハイロヴナ・九条は日本人とロシア人のハーフ。
タイトルにもなっている『アーリャ』とは彼女の愛称で、学園内だと姉を除けば主人公の久世政近(くぜ まさちか)のみが、呼ぶことを許されています。
誰に対しても壁を作っているアーリャですが、不真面目なところがある政近に対してだけはツンツンとした態度で厳しく当たります。
周りの生徒たちもそれをヒヤヒヤとした様子で見届けますが、当の政近にはダメージはありません。
なぜなら、政近にはロシア語がわかるから。
アーリャさんはロシア語でボソリとデレ発言を口にしますが、政近にはそれがすべて伝わっていて、時々こぼす彼女の本音が筒抜けになってしまっているのです。
「ただのバカじゃなくて、救いようがないバカだったみたいね」と言いながらも、バレていないと思って【かわいい】とロシア語でこぼしてしまったりしてしまうわけです。
(なんだこのかわいい生き物は!)
そんな2人によるラブコメを、3人称視点で追っていきます。
はい、優勝。
こんなのズルです。
コンセプトの勝利です。
対戦ありがとうございました。
とこれだけで、投げ出すとあまりにアレなので、もう少し語ることにします。
今作は非常に高い筆力で描かれていました。
臨場的で、感情表現が豊かな文章に、まるで自分がそこにいるのではないかと錯覚してしまうほど、ドギマギさせられます。
またアリサが政近に対して、興味を持つようになったきっかけが描かれる、P85からのアーリャ視点の過去の描写がとにかく秀逸で素晴らしい。
彼女がデレるようになったその動機に、しっかりと説得力を加えてくれていました。
いや、本当に買ってよかったです。
個人的な『2021年に読んだ本10選』には、ほぼ確定で入り込んでくるかと思います。
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん (角川スニーカー文庫)
www.kakidashitaratomaranai.info
※この先、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』に関する重大なネタバレが含まれています。
未読の方、読みかけの方はお気をつけください。
3.『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』ネタバレありの感想
ニーソックスを穿かせたり脱がせたりするくだりはめっさ最高でした、はい。
激辛ラーメンに悶えるアーリャさんだったり、ファッションショーで自爆するアーリャさんだったり、上でも紹介したニーソックスのくだりで自爆するアーリャさんだったり、本作は「とにかくアーリャさんがポンコツで可愛い」1冊でした。
周防有希(すおう ゆき)が幼なじみではなく実の妹であったことや、逆にアーリャが幼なじみであったことなど、「ほへー」と驚かされる設定もあって読みごたえもありました。
そういう理由で☆5をつけた今作ですが、あえて気になる点を挙げるとするのであれば、物語の尺でしょうか。
ページ数が少なかったからか、あるいは続編を見越してのことなのか、2人が恐らく幼なじみであったことは明かされず、最近ヒロインとのイベントが多めなラブコメばかりを読んできた身としては少しだけ物足りなさも感じました。
ただ、1巻としては政近が事件を解決し、生徒会入りが決定、アーリャとともに会長選に出馬することを宣言もして、きれいにまとめられていますし、次巻以降に期待というところでしょうか。
すでに2巻が出ることも確定しているため、そういった感じで、この作品については引き続きチェックしていこうかと思います。
『ろしでれ』にハマった方には、以下の『氷の令嬢の溶かし方』や『隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった』あたりもオススメかと思います。
どちらもメインヒロインがはっきりとしていて、また距離の詰め方が丁寧な作品です。
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