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『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』1巻感想【おさまけ】

まさかの復讐系ラブコメ

 

どうも、トフィーです。
今回は『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』、通称『おさまけ』の一巻について紹介させていただきます。

 

アニメ化も決定した超人気作品‼
かわいいは正義、正義はラブコメだということを教えてくれた一冊でした。


幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

 

1.あらすじ

幼なじみが負けフラグの時代は終わった? 予測不能なヒロインレース開幕!

☆★☆電撃文庫公式サイトの特設ページにて、水瀬いのりさん、佐倉綾音さんがヒロインを演じる『おさまけ』スペシャルムービーを公開中!☆★☆

幼なじみの志田黒羽は俺のことが好きらしい。家は隣で見た目はロリ可愛。陽キャでクラスの人気者、かつ中身は世話焼きお姉系と文句なしの最強である。
……でも俺には、初恋の美少女で学園のアイドル、芥見賞受賞の現役女子高生作家、可知白草がいる! 普通に考えたら俺には無理めな白草だけど、下校途中、俺にだけ笑顔で会話してくれるんだぜ! これもう完全に脈アリでしょ!
ところが白草に彼氏ができたと聞き、俺の人生は急転直下。死にたい。というかなんで俺じゃないんだ!? 俺の初恋だったのに……。失意に沈む俺に黒羽が囁く――そんなに辛いなら、復讐しよう? 最高の復讐をしてあげようよ――と。

引用:幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

2.『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』1巻の感想・レビュー

a.評価と作家情報

評価:★★★★★
電撃文庫
2019年6月刊行
このライトノベルがすごい! 2020年 文庫部門 新作第2位
2021年4月よりアニメ化決定

 

電撃文庫が、かなり力を入れて宣伝していた作品。
早い段階で豪華声優(水瀬いのりさん・佐倉綾音さん)が声を充てるPVも放映されていた。
そのかいもあってアニメ化が決定しています。

 

アニメのキャストも同じ、ちなみに主人公は松岡禎丞さんです。
既定路線かとは思われるが、なによりも内容が革新的に面白かったので納得の結果と言えるでしょう。

 

ちなみに、制作は動画工房
『干物妹!うまるちゃん』『ダンベル何キロ持てる?』など人気の作品を手掛けている会社です。

 

作者は二丸修一(にまる しゅういち)先生。
イラストはしぐれうい先生。

 

二丸先生は、2011年に『ギフテッド』でデビューしています。
第17回電撃大賞で受賞には至らなかったものの、編集の目に留まり拾い上げられてのデビューを果たされます。


ギフテッド (電撃文庫)

 

また2013年に『女の子は優しくて可愛いものだと考えていた時期が俺にもありました』を発表。

女の子は優しくて可愛いものだと考えていた時期が俺にもありました (電撃文庫)

 

2015年にメディアワークス文庫から『嘘つき探偵・椎名誠十郎』を出されています。


嘘つき探偵・椎名誠十郎 (メディアワークス文庫)

 

そんな二丸先生の新たなる作品が『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』です。
その内容については、以下で詳しく解説していきます。

 

b.作品内容・キャラクター

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』には二人のヒロインが登場します。

 

1人目は、表紙にもなっている女の子・志田黒羽(しだ くろは)
明るく優しく面倒見のいい幼なじみ
主人公に対して、お姉ちゃんらしく振る舞い接してくるが、ときおり返り討ちに合い暴走します。
すでに主人公に対して告白しているが、断られてしまった。

 

 

もう1人は、可知白草(かち しろくさ)
黒髪ロングの孤高の存在で、女子高生でありながら芥見賞(誤字ではない)を受賞してメディアにもよく顔を出す人気作家
ツンツンした性格で、特に男子に対してはあたりが強いが、なぜか主人公に対しては態度を軟化させています。
主人公の初恋の相手だが、彼氏がいるということが発覚してしまいます。

 

 

この物語は、白草に対して抱いていた恋心を砕かれてしまい、落ち込んでいた主人公・丸末晴(まる すえはる)のもとに、黒羽が現れて彼に寄り添うところからグッと動き出します。

 

普通のラブコメであれば告白シーンこそが物語のクライマックスですが、『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』では、むしろ告白し、それぞれの初恋が失敗してからのスタートしています。

黒羽も末晴も失恋し、普通はそこで関係が疎遠になるかとは思いますが、この2人にはそれまでに築き上げてきた強固な絆があります。
互いの気持ちをさらけ出したことでこれまで以上に親密な関係になることができたわけです。

 

なるほど、これは新しい。
これまでのぼくはラブコメというものは告白するまでの過程こそを楽しむものだと思ってきました。
主人公とヒロインが無事にくっつくかどうかとか、いつ気持ちが打ち明けられるのかといったハラハラ感こそが醍醐味なのだと思い込んでいました。

 

けれどもこの作品は違いました。
すでに恋心をさらけ出しているからこそ、黒羽はドストレートに好意をぶつけてくるし、そこがなんともオカワワワワワで面映ゆい。
だけどこの作品はそれだけでは終わりません。

初恋のショックに落ち込む末晴に対し、黒羽はある提案を持ちかけました。

「――ハル、復讐しよう」

引用:『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』1巻 

復讐
なんとも物騒なワードですが、彼女はヤンデレというわけではありません。
振られてもなお主人公のことが好きで、一途な女の子です。

 

ではここでいう復讐とは、いったいどういったものなのか。
それは白草に対して、末晴を振ったことを惜しいと思わせるといったもの。
そのために、2人は疑似的なカップルとなり、初恋復讐を果たすために動き出します。
なんとも斬新な展開です。
まさか、ラブコメに復讐といった要素を絡めてくるなんて……。

 

ただ、これはあくまでもラブコメ、つまりコメディなのです。
暗く重苦しい雰囲気にはならず、ストーリーの展開は明るく面白いもので大半を占められます。

 

そしてなによりも、黒羽の魅力がすさまじい。
お姉ちゃんぶってるのに、責められるとめちゃくちゃ弱くなるギャップが、なによりも最高です。

 

さて末晴は白草に対して、初恋復讐を果たすことができるのか。
気になる方は、ぜひ本編をご覧ください。

 


幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

 

この先にネタバレありの感想を載せています。未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

3.『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』1巻のネタバレありの感想

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』
うん、確かにどっちを選んでも幼なじみエンドにしかならない。

 

というのは置いておいて、確かに黒羽は負けなかった。
最終的に主人公に告白されるまでに至りましたが………ただ勝ちもしなかった。
……というか自ら勝ちを捨てに行きましたね。
主人公が最終的に黒羽にひかれてしまうのは共感できます。
わかりすぎてしまいます。
本当に納得のいくかわいさでした。
アカン(語彙力)

 

作中では黒羽のネジがたびたび外れて暴走してしまいますが、心の底からグッときてしまいました。
あんなにド直球に好意をぶつけられて、あんなに詰め寄られて、あんなに自分のことを心配してくれるような子になびかない方がおかしい。
けれども主人公は最後の告白の舞台まで暴発せず、その点は素直に偉いなあと。

 

この物語は「復讐系ラブコメ」というかなり変わった形式をとっています。
うまく処理しなければ全員がクズとしてのレッテルを貼られてしまいそうな、とにかく危険極まりない題材ではあったものの、オチのつけ方が秀逸かつギャグ寄りのために不快感が一切残りませんでした。
それどころかクスリと笑いを溢してしまうほど。
まさか主人公だけでなく白草も、そして黒羽までもが「初恋復讐」にいそしんでいたとは……。
「うわー、そうきたかー……」と唸らされました。
もう文句なしの☆5評価です。

 

あと阿部先輩、普通にいいやつでした。
幼なじみの白草に巻き込まれつつも、かつて憧れた天才子役――丸末晴を立ち直らせるため悪役を演じていました。
見事主人公も舞台にあがって演じることができるようになりましたし、この人が一番の勝者でしたね。

 

 

4.読まれた方に向けて他におすすめしたいラブコメ作品など

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』を読まれた方に向けて、おすすめのラブコメをいくつか紹介させていただきます。

 

 

 

『友達の妹が俺にだけウザい』

ヒロイン同士がバチバチやる物語が好きな方には、『友達の妹が俺にだけウザい』おすすめ。
こちらも最近勢いがあり、おそらくはアニメ化もされるのではないかと予想しています。

www.kakidashitaratomaranai.info

 

 

『氷の令嬢の溶かし方』 

少しずつ距離を詰めていくタイプの物語が好きな方には、『氷の令嬢の溶かし方』がおすすめ。
コメディの要素が薄いのでラブコメとはいいがたいですが、ラブの要素は突き抜けていて読むと悶えます

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『千歳くんはラムネ瓶のなか』

続いて紹介させていただくのは、『千歳くんはラムネ瓶のなか』
コメディ要素が強い物語です。
主人公が超絶リア充という、ライトノベルの中では珍しい部類の作品です。

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『いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら』

最後に紹介するのは、『いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら』
ハラハラした恋物語を読みたい方に、お勧めしたい作品です。
この物語は、作家志望の2人の少年が主人公。
かなり珍しいダブル主人公構成の作品です。
「先にプロデビューした方が先輩と付き合うことができる‼」という、ヒロインレースならぬ主人公レースをぜひお楽しみください。

www.kakidashitaratomaranai.info