どうも、トフィーです。
突然ですが、生きていると、誰にだって疲れてしまう時があります。
それは学生であろうと、社会人であろうと、あるいはニートの方であろうと変わりません。
そして心身の疲れをため込んだままにしておくと、やがてだめになっていってしまいます。
だから人間という生き物は、定期的に息抜きをする必要があるのです。
ゲームをするなり、音楽を聴くなり、美味しいものを食べるなり。
大人の方ならアルコールに頼って息を抜くのも一つの手でしょう。
また、この記事までたどり着いていただけた方は、ライトノベルを読むことこそが息抜きだという方も少なくないはず。
ぼくは、そんな方たちに向けて、1冊のラノベをオススメさせていただきたい。
その1冊とは……デン‼
お姉さんのヤツ‼
ということで今回は、年上のお姉さん好きなあなたにピッタリのライトノベル、『泥酔彼女「弟クンだいしゅきー」「帰れ」』を紹介していくわ。
さあ、この作品を読んで、あなたも一緒に優勝しましょう。
……はい、すみません。
ここからは、いつも通り真面目に(?)語っていきます。
1.あらすじ
姉の友達襲来! 距離感激近宅飲みラブコメ!
聖夜に近所の年上美人と二人で過ごすことになった。全男子にとって、夢のようなシチュだと思う。相手が泥酔一歩手前でさえなければだけど。
「弟ク~ン、おつまみま~だ~?」
ありえないほど顔がいいのに、それが霞むレベルのお気楽マイペースなダメ女・和泉七瀬。聖夜に俺と残念なかたちで出会ったこの人は、勝手に家に来るしやたら酒好きだし隙あらば弄り倒してくるし、とにかくひたすら面倒くさい。いくら顔がよくても、距離感バグってるタイプの近所のお姉さんって普通に悪夢だろ。
無自覚&無頓着。顔がいいくせに絶妙にガードが緩いハタチのダメ女に男子高校生が付き合わされまくる、酒ヒロイン特化型宅飲みラブコメ!
2.『泥酔彼女「弟クンだいしゅきー」「帰れ」』感想・レビュー
a.評価と情報
個人的評価:★★★★★
GA文庫
2021年2月刊行
作者は、串木野反保(くしきの たんぼ)先生。
イラストは、加川壱互(かがわ いちご)先生。
串木野先生は、第9回GA文庫大賞《優秀賞》を受賞され、『キングメイカー!-戦野の隅の大英雄-』でデビューされています。
他にも同じくGA文庫より『七代勇者は謝れない』を刊行されています。
さて、『泥酔彼女「弟クンだいしゅきー」「帰れ」』に話を戻しましょう。
最近よく見る、大人のお姉さんヒロインもののラブコメ。
小さな本屋で店員さんに在庫確認してもらう時には、なかなか口に出しにくいタイトルの作品。
けれど、個人的にこのタイトルは割と好きです。
簡潔かつわかりやすいメインタイトル、キャラクターの性格がなんとなく把握できるサブタイトル。
長すぎず、また最近特に多いなろう系のタイトルともまた違った趣があるなと。
ちなみに帯には、同じGA文庫の『友達の妹が俺にだけウザい』のヒロイン彩羽よりコメントが寄せられています。(初版分。2刷目以降は不明です)
『いもウザ』についても、過去にこのブログで紹介させていただいておりますので、もしよければこちらもご覧ください。
www.kakidashitaratomaranai.info
さて、次の項では『泥酔彼女「弟クンだいしゅきー」「帰れ」』の内容と感想をより詳しく紹介していきます。
ネタバレ少なめで、極力序盤のみの内容だけで説明していきます。
これから読もうかどうか迷われている方のご参考になれば幸いです。
b.キャラクター
こちら、キャラクター紹介です。
瀬戸穂澄(せと ほずみ)
主人公。
仕事のため、ほとんど家に帰ってこない姉と2人暮らしの高校2年生。
酒飲みが嫌い。
クリスマスの夜に出来上がった姉に呼び出され、これまた出来上がった状態の七瀬を預けられ、自宅で介抱することになる。
その日以来、毎日のように穂澄の家を訪ねては飲んだくれる七瀬に呆れつつも、高校の演劇部に献上するための脚本の素材になればと、彼女の習性を観察してメモに残している。
和泉七瀬(いずみ ななせ)
ヒロイン。
20歳の、お酒大好きお姉さん。
ちゃんぽん派。
酒を飲むとハイテンションでウザがらみしてくる。
ルックス以外はダメダメで、酒飲みを嫌う穂澄からすれば「蚊」のような存在らしい。
穂澄の姉の後輩で、姉が留守の日も酒を持ち込んで入り浸るようになる。
なにかの仕事をしているが、物語序盤では不明。
c.ストーリー
いや、素晴らしい。
実に素晴らしい作品でした。
イラストに惹かれて買った作品ではありましたが、読んでみれば中身も面白い。
特に七瀬(以下、お姉さん)のキャラクターが、ドストライク過ぎてもうダメでした。
内容のほどんどは、ただ酔っ払ったお姉さんにウザ絡みされるというもの。
お姉さんからすれば穂澄はあくまでも「先輩の弟」であり、恋愛感情などなしに揶揄っていた感じですし、穂澄も酒飲みは嫌いだと基本的には雑に対応するだけ。
しかし、ページが進むにつれて、穂澄はお姉さんのいいところを見つけていき、お姉さんとの日々が当たり前のように馴染んできて、その存在が彼の中で大きくなっていきます。
お姉さんもお姉さんで、穂澄のことを仲のいい先輩の「弟くん」から、一緒にいて落ち着くような異性へと認識を変えていきます。
このように、関係性が変わっていく様子が丁寧に描かれていて、タイトルからウケる印象とは裏腹に、ラブコメとしては非常に丁寧なつくりになっています。
またネタバレになるため詳細には語りませんが、「関係性の変化」の過程以外にも、本作はストーリーラインもしっかりとしていますし、なによりもヒロインのお姉さんが魅力的。
2人の軽快な掛け合いは、ずっと見ていたくなるほどに面白く、正直今作を読んでいる時のぼくの顔は、人様には見せられないくらいには弛緩していたと思います。
それくらいには、個人的には刺さりまくりでした。
ポンコツ可愛い年上のお姉さんが好きな方には、必見の一冊だと思います。
以上がネタバレ少な目の内容紹介となります。
また余談ですが、表紙で手に持っているのは、『水曜日のネコ』でしょう。
水曜日のネコは何度か口にしたことがありますが、ビールでありながらフルーティでなかなか飲みやすかった覚えがあります。
コンビニにも置いているところがあるので、大人の方は試してみてはいかがでしょうか。
www.kakidashitaratomaranai.info
未読の方、読みかけの方はお気をつけください。
3.『泥酔彼女「弟クンだいしゅきー」「帰れ」』ネタバレありの感想
『泥酔彼女』ですが、元カノの正体が月浦水守だったことといい、酔っていないとうまく演技ができないお姉さんのために走って駆け付けるシーンといい、わかりやすく伏線が貼られていたため、後半の展開事態はだいたい予想することができました。
ええ、予想できはしましたが、だからどうしたという感じで、それでもなお面白かったです。
個人的にはさり気ない伏線が貼られているうえでの驚きの展開が続くような意外性のある物語が好みではあります。
ただ、それはそれとして、やっぱり「王道」の展開って、実力のある作家さんが書けば面白くなるよなぁ……ということを実感させられましたね。
またもう一点、自分の仕事、与えられた役に対しては、たとえどんな端役であれど、真摯に向き合って取り組むお姉さんの姿はシンプルにカッコよかったです。
プライベートではダメダメで、主人公の前ではゆるみきっている彼女ですが、役者としての自覚はしっかりと持ち合わせていて、そういったところにギャップを感じられて、より一層好感度が増しました。
物語は水守が主人公宅を訪れたところで締められていて、非常に続きが気になる終わり方です。
なので、次巻も買ってみようと思います。