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『現実でラブコメできないとだれが決めた?』1巻の感想【ラブだめ】

リスペクトとパロディで出来ている秀逸なラブコメディ

 

どうも、トフィーです。
今回は『現実でラブコメできないとだれが決めた?』の第1巻について、紹介させていただきます。

 

第14回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」に選ばれた、ラブコメ作品。
現実でラブコメすることを夢見た主人公が、地道な調査と情報の分析をもとに、理想郷を作り上げていくといったぶっ飛んだ物語です。

 

また、すでに続編の発売が決まっています! 


現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫)

 

 

1.あらすじ

データでつくる最高の理想郷(ラブコメ)!

「ラブコメみたいな体験をしてみたい」

ライトノベルを嗜むすべてのラブコメ好きは、一度はこう思ったことがあるのではないだろうか?
ヒロインとイチャラブしたり、最高の友人達と充実した学園生活を送ったり。

だが、現実でそんな劇的なことが起こるわけもない。
義理の妹も、幼馴染も、現役アイドルなクラスメイトもミステリアスな先輩も、それどころか男の親友キャラも俺にはいない。
なら、どうするか?
自分で作り上げるしかないだろう!

ラブコメに必要なのは、データ分析と反復練習! そして――

第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作。

ライトノベルに憧れた俺――長坂耕平(ながさかこうへい)が、都合良くいかない現実をラブコメ色に染め上げる!

【編集担当からのおすすめ情報】
青春ラブコメの新ステージ『ラブコメをつくる』に挑戦した本作!
良い意味でぶっ飛んだ現実的ラブコメづくりに注目です!!

 

引用:現実でラブコメできないとだれが決めた? (ガガガ文庫)

 

 

2.『現実でラブコメできないとだれが決めた?』感想・レビュー

a.評価と情報

評価:★★★★★
ガガガ文庫
2020年7月刊行 
第14回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」を受賞

 

上記の通り、『現実でラブコメできないとだれが決めた?』は新人賞出身の作品です。
作者は初鹿野創(はじかの そう)先生。
略称は『ラブだめ』で、受賞時のタイトルは『ラブコメを絶対させてくれないラブコメ』でした。
前記事と同様に、以下にゲスト審査員の若木民喜わかき たみき)先生のコメントを引用させていただきます。
『神のみぞ知るセカイ』で知られる漫画家です。

 

こんな設定大好きです。自分も得意としてるジャンルですのでやや前のめりで評価してしまうのを許してもらいたいのですが、特に序盤は完璧な始まりでした。狂気とも言える壮大無比な計画を胸にストーリーを始める主人公への期待、その前に現れる女の子たちのかわいさ、全部が魅力的です。「どんなすごいラブコメが始まるんだろう!」とわくわくしました。
それだけに、そこからのストーリーが結構オーソドックスなラブコメが展開されたので、ちょっと「あれ?」と言う気持ちです。序盤を読んで期待した内容とはやや違った気がしました。論理的すぎるというか……。特に前半は長坂くんにもっと面白い事をしてほしかったです。

引用:小学館::ガガガ文庫:第14回小学館ライトノベル大賞 最終選考

 

本書の「狂気とも言える壮大無比な計画」に、笑わされつつ(そして引きつつ)最後まで楽しく読むことができました。
個人的にはそこまでオーソドックスな展開だと思わなかったので、「受賞時点から大幅に改稿がされているのかな?」といった印象です。



イラストは、椎名くろ(しいな くろ)先生。
カラーも挿絵もどちらも魅力的で、ヒロインの魅力を引き立たせています。

 

 

【関連記事】
同じく第14回小学館ライトノベル大賞出身の作品。
こちらは、退廃的で切ないラブストーリーです。

www.kakidashitaratomaranai.info

 

 

 

 

b.パロディネタが盛りだくさん

ラブコメを研究しつくしたうえで、それをストーリー内にうまく取り込んだ作品。
そしてそれらの作品のパロディネタが各所でみられるので、ラブコメを好んで読む層にはクスリと来ること間違いなしの一冊だろうかと思います。

 

この物語は、ラブコメ好きな主人公の一人称で進んでいきます。
彼の軽快な語り口は非常に面白く、クスリと笑える箇所がたくさんあるのですが、そうさせる主な要因が、既存のラブコメ作品へのリスペクトと、それを活用したパロディネタです。

 

特に同じ小学館ライトノベル大賞出身の『千歳くんはラムネ瓶のなか』『弱キャラ友崎くん』はガッツリと名前が出てきています 笑

 

「他人がどうとか普通はどうとか、そんなの知ったことか。神は言った。『他人は他人、自分が自分を誇れればそれでいい』と」
「何それ、どこの神様がそんなこと」
「千歳神に決まってるだろうが! チラ〇ネは中高生必読の哲学書だぞ、教養のない奴め!」

引用:『現実でラブコメできないとだれが決めた?』

※千歳神、チラムネの主人公・千歳朔のことです。 

「くっ、また誘導尋問かよ、汚いぞ! 鬼、悪魔、日南さま!」
「最後のどういう例え? 人でなしってこと?」
「おまっ、クラスで居場所がなくなっても知らんぞ! 謝れ、謝りなさい! ごめんなさい!」

引用:『現実でラブコメできないとだれが決めた?』

※日南さまは、『弱キャラ友崎くん』の超人大魔王ヒロインの名前です。

 

 

他にも……

・『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』

・『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』

・『友達の妹が俺にだけウザい』

・『お隣の天子様にいつの間にか駄目人間にされていた件』

・『冴えない彼女の育てかた』

・『ニセコイ』(漫画)

などのネタが出てきていますが、おそらくぼくが知らないだけでもっと多くのネタが組み込まれているかと思います。
実際にどのように使われているかという点については、本編を読んでからのお楽しみということで……。

 

ここで取り上げさせいただいたうちの何作かに関しては、当ブログでも記事にしていますので、もしよければ『4.読み終えた方に向けておすすめ作品を紹介!』のリンクから飛んでみてください。

 

c.ストーリーとキャラクター紹介

『現実でラブコメできないとだれが決めた?』第1巻の内容について、一文で説明すると……。

ラブコメを愛し、ラブコメの日常を夢見る主人公が、現実でラブコメを実現するために、データをもとに奔走する話。

といった感じです。 

 

主人公の少年・長坂耕平(ながさか こうへい)は、高校でラブコメを実現することを夢見て努力を重ねていました。
その努力というのが、「調査」「分析」


SNSを活用した「机上調査」。
観察し、聞き込みを行ったり、あるいは直接会話で情報を引き出す「実地調査」。
そうして得られた情報を整理し、分析のうえにラブコメ適正なるものを認定し、さらには検索機能まで付け加えてまとめた「友達ノート」。

※「うわっ……」と思われる方もいるかもしれませんが、彼は非合法なことはほとんどなにもしていません。

 

耕平はこうした武器を活用し、ラブコメという名の理想郷を実現のために、動きだすところから物語がスタートします。


具体的には、メインヒロインとして認定した、ラブコメ適正Sランクの少女・清里芽衣(きよさと めい)のロッカーにラブレターを忍ばせ、屋上へと呼びだしたのです。
しかし、そこに現れたのは、まったくの別人。
ラブコメ適正Cランクの今どきJK、表紙に描かれている適正Cランクの女の子・上野原彩乃(うえのはら あやの)でした。

 

なんだかんだあってから、耕平は彩乃を共犯者として引き入れます。
そして彩乃は、呆れながらも耕平の指示に付き合ってくれるのでした。
さて耕平は、無事に理想郷を作り上げることができるのか?
それはぜひ、本編をご覧ください。

 

 
 
※この先はネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3.『現実でラブコメできないとだれが決めた?』ネタバレありの感想

幼なじみがいないなら、創造すればいいじゃない

ぶっ飛びすぎてて笑えます。 

 

これまで、赤の他人を幼なじみへと変貌させるようなラブコメがあったでしょうか?
いや、ありません(たぶん)。

 

対面調査を続けるうちに、気づいたら学年中の男子に声をかけ続けるヤバい女のレッテルを貼られそうになっていた彩乃。
そんな彩乃を救うために、彼女をツンデレ属性もちの幼なじみであると公言してしまうという強引な解決法には、さすがに笑わずにはいられませんでした。
それだけでも衝撃的なのに、この作品は最後の最後でもう一つの爆弾を落としていきます。

 

なんと、清里芽衣が黒幕でした。

彼女は誰よりも「普通」を求める女の子。
誰とも付き合わず、どこのグループにも属さず、とにかく空気のようにありたいという望みを持っています。


そのために、主人公からのラブレターを隣の下駄箱に入れて逃げていたのです。
また、主人公の不審な動きについても察知しており、彼に協力者がいることも見抜いていました。
芽衣はゴールデンウイークには多くのグループと遊び、対面調査に向かうように誘導し、協力者が彩乃であることを特定
そしてそのまま彼女を排除しようと画策しますが、主人公の幼なじみ宣言によって失敗したという流れです。

 

なんだこれは(絶句) 
ラブコメだと思っていた物語が、最後の最後で『超高度かわいい諜報戦』だったことが発覚してしまったこの驚きよ。 
例えるならば、某新世界の神の有名な台詞、「計画通り」のシーンを見たときと似たような心境になりました。

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4.読み終えた方に向けておすすめ作品を紹介!

 

『千歳くんはラムネ瓶のなか』

ラブだめの中でもたびたび登場した、千歳神が主人公の物語。
学年でもトップカーストに君臨する、爽やかイケメンで性格のいい超絶リア充が主人公という珍しいライトノベルです。

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『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』 

黒い幼なじみがひたすらに可愛いラブコメ作品です。

好意を寄せていた女の子に失恋し復讐を誓う主人公と、彼に振られてしまったものの彼を全力で応援する幼なじみによる、失恋から始まるラブコメディーです。 

アニメ化も決定しています。

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『友達の妹が俺にだけウザい』 

ウザかわいい後輩に、ひたすら絡まれ続けるラブコメ。 
ハラハラどきどきなラブコメというよりは、「まったくお前らってやつは……」というタイプの物語です。
抽象的すぎますね、はい。
詳しい内容は、以下のリンクからどうぞ。

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他にも当ブログでは、様々な作品のレビューを行っています。
「なにか面白い物語を見つけたい!」という方の一助になれれば幸いです。

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