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【全ネタバレ有】澤井啓夫『チャゲチャ』はどんな漫画?|なぜ8週で打ち切りになったのか考察する

 

 

 


ついうっかり5時間目の授業を寝てしまい、目が覚めたら『チャゲチャ』は終わっていた。

そのくらいのスピードで、チャゲチャは僕らの世界を通り過ぎて行ったんだ。

当時、俺は掲載されている全てのジャンプ作品どころか最後の大喜利コーナーさえ読み通していた。そんな俺ですら、『チャゲチャ』の突き抜けを捉えるのは困難だった。

チャゲチャが終わった数週間後に、「あれ!?チャゲチャ無くね!?」と気づいて過去のジャンプ引っ張り出してチャゲチャの連載終了回を必死に探したのを覚えている。

 

本記事ではそんな伝説的な漫画『チャゲチャ』の全貌を明らかにしたいと思う。

 

チャゲチャはどんな漫画?

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©集英社

 

『チャゲチャ』は「週刊少年ジャンプ」にて2008年9月から11月まで連載されたギャグマンガ。単行本は全1巻。

アニメ化もされた『ボボボーボ・ボーボボ』の作者・澤井啓夫先生の次作である。(正確には『真説ボボボーボ・ボーボボ』の次作)

本作は8話完結となっており、アンケート至上主義が始まってからのジャンプの最短打ち切り記録を保持している。

『チャゲチャ』の次作である『ふわり!どんぱっち』で、あまりにも作風が変わってしまったため、「澤井先生は『チャゲチャ』を描いて精神がおかしくなったのでは」と心配する読者が多かった。

しかし、漫画の内容を見る限り精神がおかしかったのは確実に『チャゲチャ』以前の方である。

 

チャゲチャのあらすじ・ネタバレ(1話~最終話)

あらすじが意味分からんのは僕の文章力のせいではございません。

ご了承ください。 

 

これは、ヤンキーであるチャゲチャが地に落ちた激熱高校をテッペンへと導く物語…。

 

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©集英社

 

 

 

 

激熱高校3年生のチャゲチャが2年ぶりに激熱高校に戻ると、激熱高校のヤン高格付けはA級からドブ級へと落ちていた

 

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©集英社

 

 

 

 

それもそのはず、チャゲチャが2年間姿を消している間、チャゲチャの同級生は全員、南冷高校によって富士山の火口で皆殺しに合っていたのだ。

 

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©集英社

 

 

 

 

チャゲチャは激熱高校の地位を再び上げるべく、また、過酷で刺激的なヤンキー界に身を置くべく、激熱校の頭になり誰にも舐められない高校にすることを決意する。

そしてチャゲチャは激熱校で、これから戦いを共にする仲間と出会う。

 

 

 

 

鉄球使いのヒロイン1年河合ヒマワリ、9歳飛び級の不良エリート1年全開天ドラ次、中学時代6大ヤンキーの一人1年若菜濃太郎、全てが謎1年ロングホーン鬼沢、これまで激熱校を仕切っていた2年鷲尾甲山うさぎ

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©集英社

 

うさぎと鬼沢以外、みな実力者だが、ランク戦には人数が足りないという理由でドブ級から抜け出せずにいたのだ。

 

 

チャゲチャが加わり7人が揃った激熱校は、ランク戦にてB級の都立 赤乱雲高校をぶっ潰し、一躍名を上げる。

 

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©集英社

 

 

 

 

超A級の四大高校を筆頭に、あらゆるヤンキーたちに目をつけられたチャゲチャたちは、これから激しい戦いに身を置くことになる。

 

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©集英社

 

 

おしまい

 

チャゲチャの感想

ストーリーは読みすぎてだんだん面白いと思えるようになってきた。

ギャグは面白くない。ただ1冊で3回笑った。

それでいいじゃん。

それでさ。

 

なぜ打ち切りになったのか?

単純に不人気

「ボーボボのようなものしか書けないが、ボボボーボ・ボーボボでないと人気が出ない」

これが当時の澤井先生がぶち当たっていた壁なのではないだろうか。

事実、キャラ作りは完全にボーボボだった

(例) 

チャゲチャ→カリスマ性のあるボーボボ 

ドラ次→ドンパッチ+田楽マン

ロングホーン鬼沢→天の助

マサト→闘わないへっぽこ丸

河合ヒマワリ→闘うビュティ

鷲尾→ソフトン

 

さて、なぜ打ち切りなったのかについて考えていきたい。

言うまでもなく、人気が出ないから打ち切りになったわけだが、一体この『チャゲチャ』、ボーボボと何が違ったのだろうか。

それはビュティの不在だ。

「意味不明」と言いきってしまっても怒られないであろう澤井式ギャグは、ビュティというツッコミがいてこそ成り立っていた。

そのギャグが爆笑であれ、「は?」であれ、収まりのいいひとつの「ギャグ」になっていた。

しかし、チャゲチャにはビュティポジションがいなかった。

 友人の言葉を借りるならば、切れの悪いうんこが垂れ流しになってしまっていたのだ。

ツッコミがいないゆえにメリハリがなかった。

またツッコミなしでギャグを生み出そうとするあまりボケが強烈になりすぎてしまい結果誰にも伝わらなかった。

そうして、『チャゲチャ』ならぬ、設定がごちゃごちゃした上にギャグが伝わらないボーボボが出来上がってしまったのだ。

 

チャゲチャのコミックスにある作者あいさつに

前作までの手法はなるべく使わず、全てはゼロからの状態で新たなギャグマンガの表現に挑戦してみました。(略)結果、まだまだ力不足だということを知ることができました。

とあるが、これはまさに「ツッコミキャラを作らない」ということだったのではなかろうか。

 

澤井先生のギブアップ説

実はこの『チャゲチャ』の連載終了、澤井先生のギブアップ説が濃厚だ。

というのも

 

・果たしてジャンプ漫画が8週連続で打ち切りになるのか?

・作者コメントに「集英社に寝泊まりする日がけっこーありました」というコメントがあった

・次作ふわり!どんぱっちへの変容具合

 

という疑念・事実から「『チャゲチャ』は澤井先生に限界がきてギブアップしたのでは?」 という説がネット上で囁かれているのだ。

しかし、ひとしきりネットを調べたが何のソースもなかった。

ただ、コミックスの作者コメントからもその哀愁はなんとなく感じられる。

なので、『チャゲチャ』連載からギブアップまでの流れは

 

澤井先生ボーボボ書きたくない→集英社にボーボボみたいなやつ書かされる→書きたくないけど連載→人気も出ないしギャグも限界→ギブアップ

と予想ができる。

ただ、この予想だとあまりにも集英社を悪者にしすぎているので、もう一つ仮説を立てると

 

澤井先生がボーボボのような漫画で再ヒットを狙う→今までのノリのギャグに限界が来ていることは薄々勘づいている→編集部の後押しもあり連載する→やっぱり限界が来てしまった。ギブアップ→『ふわり!どんぱっち』へ

 

という方がしっくりくるかもしれない。

 

最後に

俺は、『チャゲチャ』は漫画だけを楽しむのではなく、澤井先生の生き様含めて楽しむものだと思っている。

この一冊に全てが詰まっている。作者コメントに500円払う価値がある。

その上3回笑える。

こんなすごい漫画、他にないと思う。

 

俺も購入したのは最近だが、意外と後悔してない。

自分でも不思議だ。

皆もぜひ『チャゲチャ』を所有してほしい。

ここまでよんでくれてありがとうございます。

チャゲチャに関するご意見あれば、コメントでお待ちしています。

 

では、『ふわり!どんぱっち』のレビューでお会いしましょう。

以上