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【あらすじ・ネタバレ感想】『不滅のあなたへ』が完璧な世界観構成と名セリフだらけで面白い

 

 

 

はじめに

『不滅のあなたへ』は現在少年マガジンで現在連載中(既刊12巻)のSFファンタジー漫画です。作者は『聲の形』の大今良時さんです。

ひとことで魅力を言うなら

漫画1~2冊分の密度が映画1本分レベル

後に感想は詳しく述べます。

 

2020年10月にアニメ化する予定で、まだ知らない人も多いこの漫画、確実にアニメ化で大化けします。

今ファンになればまだギリギリ古参ぶれるので、ぜひ大大ヒット前に原作を読んでみてほしいです。

タイトルや噂だけを聞いてちょっと気になっている方に魅力を伝えたり、現在読んでいて、感想記事を読みにここにたどり着いた方に感想を共有出来たらなと思います。

 


アニメ 不滅のあなたへ “TO YOUR ETERNITY” PV


原作  大今良時
監督  むらた雅彦
シリーズ構成  藤田伸三
キャラクターデザイン  薮野浩二
アニメーション制作  ブレインズ・ベース
製作  NHKエンタープライズ、NHK
放送局  NHK Eテレ
放送期間  2020年10月 -
話数  全20話(予定) Wikipediaより

 

 

あらすじ

何者かによって
”球”がこの地上に投げ入れられた。

情報を収集するために機能し、
姿をあらゆるものに変化させられる
その球体は死さえも超越する。

ある日、少年と出会い、そして別れる。

光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……
刺激に満ちたこの世界を彷徨う
永遠の旅が始まった。

これは自分を獲得していく物語。

『聲の形』の大今良時が贈る、永遠の旅。真っ白な魂で世界に降り立つ、邂逅の第1巻!

──現実だけが自分が誰なのかを教えてくれる。だから僕は、旅に出る

                     1巻裏表紙より

僕は、はじめこの文章を読み全く意味が解りませんでした。

しかし、1巻を読んだ後にこの文章を読むと、「ああ、まあ確かにこれだわ」となるのです。

つまり、この漫画は分かりやすく文章でまとめるのが非常に難しい!

 もし時間があれば試し読みをしてみてください。無料で1巻分は読めます。

これが一番魅力が伝わります。

pocket.shonenmagazine.com

 

以下ネタバレ注意

僕からも説明させていただきます。

 

この漫画のあらすじはズバリ!!

 

モノや生命などあらゆるものに変化・変身できる不死身の球体が、人間として生きていき、様々な人と出会い別れていく漫画です。

 

球体から石になり、石からオオカミになり、オオカミとして豪雪の中独りぼっちで生きる少年と共に暮らしていきます。

 

少年が死に、主人公は少年の姿で生きていきます。その後「フシ」という名を与えられた主人公は、様々な人たちと出会い、そして別れていきます。

 例えば

 

 ・生贄に選ばれ、逃げた少女マーチ

 

 

・顔のつぶれた少年グーグーと無二の友人になる話

 

 

・囚人島に住む少年少女の話



 

ストーリーが進むにつれ、フシを狙うノッカーという蔦の生命(?)の敵や、フシのもとに現れる「フシの創造者」が物語をより複雑にしていきます。

 

 

感想

 

まず、「めちゃくちゃに面白い」とか「世界観がすごい」って言葉しか出てこない。めちゃくちゃ面白い漫画は、捻った言葉で伝えられないんだな、と。

なので、友達におすすめするのが難しいマジで難しいです。あらすじも説明しづらいですしね。。。僕はこの漫画を読んで号泣した勢いで、姉に「とりあえず読んでくれええええええええ」と涙と鼻水をこすりつけながら1~5巻を渡したら、すぐに読んでくれたようで同じようにめちゃくちゃ感動してくれていました。紹介方法としては完全に思考を放棄したごり押しチンパンスタイルですが、結果良しです。

 

世界観のすごさ

街や村ごとの建物・文化・人種・衣食住の作りこみがすごいです。オリジナル文字まで作られていますからね。

そんでフシが「球」から「人間」へ描かれていく過程の凝りがすごい。フシは元々が人間ではなく球体なので、意識を獲得し、言語を獲得し、感情を獲得し、その果てに自分が不死身であることに葛藤していくところもみっちり描かれます。そのリアルさが奇妙なくらい伝わってきます。作者の大今良時さん絶対球体育てたことあるやん?って感じ。 自分の想像の枠を超えすぎていて、読んでてゾクゾクするというかワクワクするというか、とにかく未知のものを頭に取り入れている感じがすごいです。SFファンタジーが好きは絶対読むべきです。

ひとつのストーリーが映画1本分

主人公フシが生きていく中でいろいろな人と出会い、いろいろなストーリーがあります。あらすじのところでも触れましたが、

・生贄に選ばれた少女の話

・顔のつぶれた少年グーグーと無二の友人になる話

・囚人島に住む少年少女の話

 

このひとつひとつのストーリーがマジで映画一本分の密度です。ネット記事のインタビューを読むと、作者さんが登場人物を慎重に動かしたり、話の構成を練りこんだり、言葉ひとつひとつを大切にセリフに落とし込んでいることが分かります。先ほど「SFファンタジー好きは読んだほうがいい」と書きましたが、ヒューマンドラマ好きの方にもおすすめできます。

読み返したりしてると、たまに続き読みたいけど心がおなかいっぱいすぎて読めない時があるくらいです。アニメだとそこのところ、どのタイミングで1話1話を区切るのかなあとか、リアルタイムで観ると毎週ちょうど心が満たされて終わるなあとか考えてしまいますね。

 

好きなセリフ・名言

 僕のこと ずっと覚えていて 

1巻 1話の少年

 

人の生き死にに意味を求めるなんて間違っている

2巻 パロナ

 

 

私はやる。命を利用しなくても為し得るんだということを証明してやる

2巻 パロナ

 

そうね マーチは…

大人になったらできるぜんぶのことをやりたいわ

まずはおりょうりでしょ これができなきゃママにはなれないわ

そしていつか子どもができたら ねーねみたいにぬいぐるみをつくってあげたいわ

あとことばをもっとおぼえたいわ ”もじ”もいつかおぼえたいわね

ニナンナにあたらしくもじをつくってもいいわね

とにかく今しらないぜんぶのことをしりたいわ

大人になるってしっていくってことでしょ?

2巻 マーチ

 

自分の生き方は与えられるものじゃない!

自分で勝ち取るんだ!

2巻 パロナ

 

 

知らないというのはある意味幸せなのかもな

絶望しなくて済む

3巻 グーグー

 

 

なンで俺はじじいなンだろうって思ってな

 どうあっても俺がグーグーより先に死ぬのが悔しくってな

あいつは家を出て大人になって

好きな道を選んで なりたいもンなって

そういう当たり前の人生を送ってほしいンだ

それをまるっと見届けてから俺は死にてえもンだ

4巻 酒じじい

 

 

自分の生き方は自分で勝ち取るんだ!!グーグー!

4巻 フシ

 

 

困ったことがあったらいつでも助ける

それが兄弟ってもんだぜ

4巻 グーグー

 

 

なんで俺は俺なんだろう

4巻 フシ

 

 

ワシはこう考えた

ワシは老い先短い人生にどう意味を持たせるか と

ならば一寸でもいい お前を支える棒切れになろうと思った

4巻 ビオラン

 

 

忘れられて初めて本当の意味で死んでいくんじゃろうな…

4巻 ビオラン

 

 

あ そうだ!

悲しいときは笑うといいぞ!!

5巻 トナリ

 

※まだまだ追記していきます!

 

まとめ

「球体」が「人間」を獲得していく過程が緻密で面白く、また素敵な出会いと寂しい別れで心を動かされる作品です。全員2巻で100%泣きます。SFファンタジーを読んだことない人、あまり読もうと思わない人にも自信を持ってお勧めできる作品です。

ぜひ秋までにご一読を!