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【ワンピース】デービーバックファイトが描かれた意味を考える

ワンピース デービーバックファイト と調べるとその評価の低さが分かりますね…。

個人的にはゾロとサンジが共闘したってだけでかなり価値のあるものだったと思います。フォクシーのキャラもルフィのコンバットも大好きです。しかし、こんな僕もあの数巻が物語の中で浮いているのは感じています。長編が連鎖のように続くワンピースに一巻で終わる中編が挟まったことでテンポが悪くなったと感じる人もいるだろうし、別にあれなくても物語に差し支えなくね?って思う人もいますし、そもそもつまらんかったと思う人もいるでしょう。

ではなぜデービーバックファイトは描かれたのか、あの漫画一冊の意味は何なのかということを少し考えてみたいと思います。

 

デービーバックファイトのテーマ

ワンピースにはそれぞれの編に裏テーマがあるのを御存じでしょうか。

関連記事➡ワンピースの各長編の隠された裏テーマを考察してみた

尾田先生は18巻のSBSで

クリーク編は、実は戦争が裏テーマでしたので

とおっしゃっています。他の編の裏テーマは明かされていませんが、どの編もなんとなく予想はできるのではないでしょうか。

例えば

アーロン編は人種(人種間の闘争)

アラバスタ編は国

空島編は宗教(「神」かも)

W7編は兵器(W7編は色々ありすぎて正直分からん)

スリラーバーク編は生命

魚人島編は人種(人種間の歩み寄り)

 

(『仲間』や『信念』というテーマは裏テーマというか表テーマとして全編にわたって描かれてますね。)

 

まあこれは僕がこう読み取っただけで尾田先生の想定と違っているものもきっとあるでしょう。

では、デービーバックファイトの裏テーマは何なのでしょうか。

結論、全く分かりません。すみません。

仲間!とか絆!!とか声高らかに言いたいところですが、それはもはやワンピース自体のテーマ。デービーバックファイト編だけ裏テーマないんじゃない????と思えて来ます。

 

色々考えましたが、「組織」が一番しっくりくるかもしれません。リーダーがいて、それについていく部下がいる。もちろんこの編は仲間の大切さや絆を描いているのですが、「組織」と言い換えることもできるではないかなと。というのも、敵のフォクシー海賊団、皆仲良すぎ。言ってしまえばこの海賊団、つぎはぎのように仲間を集めてきたバラバラ海賊団です。それをまとめるフォクシーという男、カリスマありすぎてえぐい。彼らがとてもよくまとまっていて仲が良いのは、単純にこの編をポップに描きたかったということもあるのでしょうが、彼らはルフィとはまた違った形でとてもよくできた組織なのです。2人のリーダーの異なったカリスマ性を描いたうえで、敵を惹き込んでしまうルフィのカリスマ性が強調して描かれてもいます。(カリスマ性というか、みんなを味方に付ける能力というか。コンバットの最後らへんとかね。)

序盤、フォクシーに仲間を奪われてグダグダになったキバガエル海賊団もまた壊滅した「組織」のお手本として登場したのかもしれません。

麦わらの一味とフォクシー海賊団の対比。

麦わらの一味&フォクシー海賊団とキバガエル海賊団の対比。

これまでにない、複数人共闘。

組織としての麦わらの一味を描いた後の、青キジによる一味決壊チラ見えの絶望。

 

この「組織」というのはこの後のW7編で重要なキーワードにもなってきます。(仲間がバラバラになるところとか。)W7編は、ルフィの「重い」発言やメリー号との別れの決断など、ルフィが”船長として”一皮むけるパートです。一度はバラバラになってしまう麦わらの一味、このデービーバックファイトで組織のトップとしてのルフィの気持ち「俺の仲間は死んでもやらん」を強調して描いておきたかったのかもしれません。

 

まとめ

デービーバックファイト戦は、W7編とエニエスロビー編で仲間がバラバラになる前に麦わらの一味という仲間の絆、というか船長(組織のトップ)としてのルフィ(仲間を信頼するルフィ、ルフィだから海に出たと言われるルフィ、仲間を死んでも誰にもやらんと言うルフィ)を描いておくための物語だったのかなと考えました。