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「きみも来る?」
どうも、トフィーです。
今回は、戸塚陸先生のライトノベル、『放課後の聖女さんが尊いだけじゃないことを俺は知っている』を紹介させていただきます。
放課後の聖女さんが尊いだけじゃないことを俺は知っている (富士見ファンタジア文庫)
1.あらすじ
「きみも来る?」時刻は午後11時。
平凡な高校生・倉木大和はコンビニからの帰宅途中に、同級生で聖女と呼ばれる美少女・白瀬聖良と出会う。
彼女に誘われるまま、真夜中の繁華街で共に時間を過ごし、その日をきっかけに二人の交流がはじまった。
初めてのダーツ、CD貸し借り、ラーメン巡り……。
たまに甘えてきて、少しやんちゃな一面のある聖良と関わるうちに、大和の退屈だった日常は色づいていく。
「あのとき、大和がついてきてくれて、ほんとによかった」
どこまでも自然体な聖女さんと過ごす、甘くて、尊い、青春と恋の物語がはじまる――。
2.『放課後の聖女さんが尊いだけじゃないことを俺は知っている』(せいとい)1巻の感想・レビュー
a.評価と情報
個人的な評価:★★★☆☆
ファンタジア文庫
2021年5月刊
略称:『せいとい』
作者は、戸塚陸(とづか りく)先生。
イラストは、たくぼん先生。
戸塚先生の作品だと、『オタビッチ綾崎さんは好きって言いたい』『俺がラブコメ彼女を絶対に奪い取るまで。』などが同じくファンタジア文庫より刊行されています。
話を今作に戻します。
帯で「SNSで反響続々!」とうたわれていますが、ぼく自身Twitterを眺めている間に確かに何度か目にしたこともありました。
WEB系のラブコメ小説のような印象もそこそこ受けましたが、調べてみたところ「小説家になろう」や「カクヨム」発の作品ではなさそうです。
またPVも発表されていますので、なんとなくの作品のイメージを確認したい方は、こちらもご覧いただくといいかもしれません。
b.ストーリー・キャラクター紹介(ややネタバレを含みます)
ストーリー紹介をするにあたって、『せいとい』1巻全体のなんとなくの方向性と雰囲気について言及しています。
具体的なネタバレは避けるようにしていますが、念のためご注意ください。
表紙とタイトルから最近よくある「いちゃあま系」(『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』や『氷の令嬢の溶かし方』 など)を想像していましたが、読み進めてみるとちょっと違う印象を受けました。
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主人公の少年・倉木大和(くらき やまと)が夜遅くにコンビニから帰る途中に、クラスメイトの白瀬聖良(しらせ せいら)を見かけます。
気になって後を追い、声をかけると「きみも来る?」と誘われ、そこから2人の交流が始まっていきます。
この物語を読んで、ぼくが感じた魅力は2点。
1つ目はヒロイン・聖良の掴みどころのなさ。
彼女は、誰に対してもサバサバとした自然体の態度で接していることから、クラスメイトからの人気も高く、美貌も相まって「聖女」と言われています。
しかし特定の友人を作らず、自分の価値観にそって判断し行動するところが、また個性的で面白いと思いました。
もう1つは、そんな白瀬に連れられて、退屈な日常から逸れていくワクワク感。
『せいとい』のストーリーは、基本的に白瀬主導で進んでいきます。
深夜の外出だったり、授業をさぼっての昼寝だったり、あるいは立ち入り禁止の屋上でのランチだったりと、彼女との日常は「聖女」の名とはかけ離れたもの。
それでも、日常に退屈を感じていた主人公からすれば、白瀬の存在はまるで白馬の王子様のように映ったことでしょう。
「かっこいい」というのとはまた違うのですが、どこか大人っぽくて、大和にとって知らない世界を見せてくれる白瀬聖良の役割は、「白馬の王子様」という表現がわりとしっくりくるかなぁと思います。
(読み終えた方なら、この表現に納得してもらえるのではないでしょうか)
主人公が内向的な性格であることも、そう感じた一因だと思います。
恋愛要素については、1巻時点では薄めです。
恋愛よりも、友情のほうが描かれています。
また、1巻を通して大きく話が動くタイプの作品でもありません。
大和の心情的な成長はややありますが、大きな事件や、解決しなければならない問題、あるいは主人公たちにとって障壁となるような相手は、少なくとも1巻の時点では登場しません。
そのため、読み応えのある作品を好む方や、甘々なシチュエーションを好む方、新規性を求める方には合わないかもしれません。
裏を返せば、ゆるめの日常ラブコメを好む方や、現実にも起こりそうな「日常の中の非日常」のような雰囲気を味わいたい方にはオススメです。
このあたりは完全に趣味ですね。
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