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『Fate/stay night Heaven's Feel』第3章の感想と補足【ネタバレ注意】

 

どうもトフィーです。

 

今回は、劇場版『Fate stay night Heaven's Feel』第3章についての感想と補足をしていこうかと思います。

第1章『I.presage flower』
第2章『II.lost butterfly』に続く、第3作目にして最終章Ⅲ.spring song』
コロナの影響もあり公開が延期されてしまい、じらされ続けた今作ですが、観終わってみれば自分史上最高のアニメとなりました。

ようやく自分の中の不動の1位を塗り替えてくれた……という感動もあり、5回も足を運びました。
もちろん、Blu-rayの購入は確定です。


さて、ここからは『Fate stay night [Heaven's Feel]Ⅲ.spring song』の映画を見て、個人的に気づいたことや、注目したシーンについて語っていきます。
なおこの記事ではネタバレをガッツリと含みますので、未視聴の方はご注意ください。


劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」III.spring song(通常版) [Blu-ray]

 

 

宝具合戦|ライダーVSセイバーオルタ

Fateシリーズ屈指のバトルシーンでした。
前2ルートでパッとした活躍がなかったライダーさんことメドゥーサ(特にUBWは、うん……)ですが、HFでは桜がマスターになってようやく本領発揮できました。

 

キレッキレの魔眼、格上を翻弄する速度、そしてそこから繰り出されるライダーキック
どれを取ってみても迫力満点で、手に汗握るアクションシーンでした。

 

「私は信頼されていますから。貴方は…」

そしてライダーさんのこの煽りよ。
一章でのバーサーカー戦で、身をていして庇われたセイバーの立場になって考えてみると、少しかわいそうになってきます。

 

それからなんといっても、最後のベルレフォーンVSエクスカリバーがひたすらに熱い。
ライダーさんの正面カットが美しかったです。
確かFateルート(セイバールート)での最初の宝具合戦も、この組み合わせでしたよね。
あの時はライダーが敗れましたが、今回は士郎のローアイアスの援護もあり辛勝、リベンジを果たしました。
この二人の宝具で始まり締めくくられる、士郎の立ち位置も含めていろいろと対比的で、Fateシリーズ全体を通しても非常に印象に残るバトルとなりました。

あと最後にセイバーが「シロウ」と呼びかける声が、切なかったですね。
正気に戻ったようなその声は、HFだけでなく、他2ルートでの彼女との記憶を思い起こさせます。
他のルートの記憶は無くとも辛いのは士郎も同じ。
ですが、それでも士郎は止めを刺すことができました。
たった数秒のカットではありますが、桜を救うと決めた士郎の覚悟がひしひしと伝わってきました。

 

ちなみに原作では、セイバーに止めを刺せなかった場合、バッドエンドとなります。
そしてその際に、「――シロウ。初めて、貴方を憎んだ」と彼女は口にするのです。
それを踏まえると、なおのことちゃんと終わらせることができてよかったなと思えてくきます。

 

www.kakidashitaratomaranai.info

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ポーカー|恵まれた凛と敗北続きの桜

続いてはポーカーのシーン。
よくよく二人の手札を見てみると、凜がフルハウスなのに対して、桜はワンペアなんですよね。
桜はそのワンペアを満面の笑みで開示して……。
きっと散々な引きを続けてきての、ようやく掴んだワンペアだったのでしょう。
ふたりの横にあるおはじきの数に注目してみても、それまでの桜が敗北続きであっただろうことは容易に想像がつきますし。

 

その一方で、あっさりとフルハウスの役をそろえてしまっている凜
桜の喜びようを見て、困り顔を浮かべているのが印象的でした。
凜があの役を実際に出したかどうかは描かれていませんが、その後で桜を刺せなかったという事実を踏まえると、きっと公開せずに流したんだろうなぁ……なんて思えますね。

 

短くはありますが、両者のあり様について描かれていたこのポーカーのシーン。
ただの勝ち負けにとどまらず、ワンペアとフルハウスという手札については、いろいろと深読みができて面白かったです。
なんでももっている姉と違って、桜はたった一つを掴むことさえ精一杯。
負けまくってようやく掴んだそのワンペアが、士郎を象徴しているようで彼女の笑顔が胸にきます
きっと凜はその要領の良さで、なんでもそつなくこなして生きていくことができるけれど、桜は士郎がいなければ幸せになれない、そんな二人の未来までをも示しているように思えてなりません。
まあ、それでもぼくは凜派なんですけどね‼

 

 

男同士の熱い殴り合い|衛宮士郎VS言峰綺礼

クライマックスに魔術もなにもなしの(とげとげはしてたけど)、純粋な殴り合いを持ってくるそのセンスが本当に憎い。
殴り愛とも呼称される男二人のぶつかり合いですが、ぼくはあのシーンを見るために何度も劇場に足を運んでいるといっても過言ではありません。

 

あのシーンについて映画館を後にする時に、「あそこでエミヤが流れないんだなー」という他の観客の感想を耳にしましたが、自分は悲壮感あふれるあのBGMこそが言峰の生き様にあっていると思っていて、断然こちらの方がいいという意見です。

 

悪だの、自分のあり方の確認のためだのと散々、内に秘めた想いを吐きだした後の、「八つ当たりでもある」という告白が狂おしいほどに好きでした。
士郎もそんな綺礼を受け入れます。
互いの人間らしさを散々に見せつけた後の、残された時間の差による辛勝。
最初の講演で、ぼくの感情はここでピークに達したと思いました。
けれども、この映画にはさらに上がありました。

 

 

エンディングで衛宮士郎が生きていた理由について|ヘブンズフィールと蒼崎橙子

 「生きていたい」

士郎のこの叫びには、魂が震えました。

前ルートでの、紛い物でも美しいと思ったからと「正義の味方」としての生き方を掲げ続ける士郎も魅力的でしたが、個人的にはHFの映画、特に『spring song』では彼の魅力が臨界点にまでのぼりつめた印象です。
stay night全編を通して、ようやっと過去のあれこれを抜きに持つことができた「人間らしい」望みにはつい涙腺がゆるみました。

 

個人的にはFateシリーズは、サーヴァントはもちろんのことではありますが、それ以上にマスターの方へと魅力を感じていました。
今作では「今を生きる人間」としての各マスターの活躍を目にすることができて、感無量といったところです。

 

さて、エンディングで士郎が生きていた理由についてですが、これは『空の境界』を見ていないと理解するのは難しい、というよりもできなくても仕方がありません。
士郎が肉体を取り戻す(という表現が正しいのかはわかりませんが)ことができたのは、凛と桜が路地裏ですれ違った傷んだ赤色の髪の女性――蒼崎橙子のおかげです。

 

『空の境界』で登場する彼女ですが、「冠位」(魔術協会から与えられる最高位の魔術師の称号)の実力をもつ人形師です。
彼女の創り出すそれは、本物の人間の肉体とは区別がつかないほどに精巧で、自分と何一つ変わらない人形を創り出したことで、協会から封印指定(やばいやつ認定)を受けるほど。
今作のラストで、消え去ってしまったはずの肉体を士郎が取り戻していたのは、蒼崎橙子の活躍によるものだったのです。

 

「体が用意できたのはわかったけれど、じゃあ魂はなんで残っていたの?」という疑問については、今作のタイトルにもなっている『第三魔法ヘブンズフィール』を起動したからです。
ここにきてのタイトル回収です。
ヘブンズフィールについては今作だけではなく、アポクリファでもユスティーツァが登場し触れられていましたが、ようするに「魂を物質化」する奇跡です。

 

まとめると、イリヤがもたらした「奇跡」によって物質としてとどまり続けていた魂を、蒼崎橙子の用意した人形へと移すことにより、士郎は元の人間としての形のまま生きていくことができた、というわけなんですよね。
いやほんと、この映画っていろんな意味で集大成ですよね。

 

『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪花の誓い』もおすすめ

以上がぼくの『Fate stay night [Heaven's Feel]Ⅲ.spring song』を見ての感想となります。

 

人間らしくかっこいい士郎を見ることができた今作ですが、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪花の誓い』でも、それに近い姿を見ることができます。
こちらでは『プリズマ☆イリヤ』のもう一人のヒロイン・美遊の兄として登場しますが、「世界を捨ててでも妹を守る」という悲壮感と覚悟を宿した少年としての姿が描かれています。
『雪花の誓い』はそんな彼が主人公となる映画です。


『雪花の誓い』は『プリズマ☆イリヤ』の前日譚のような作品なので、プリヤを知らなくても見ることができます。(プリヤ/zeroのようなイメージです)
Amazonプライムやdアニメストアなどでも公開されていますので、気になった方はぜひご覧ください。