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『超高度かわいい諜報戦~とっても奥手な黒姫さん~』感想・レビュー

恋愛×諜報戦、積み重ねられていく勘違い!


どうも、トフィーです。
100記事が目前まで迫ってきました。

 

さて、今回紹介するのは方波見咲先生の『超高度かわいい諜報戦~とっても奥手な黒姫さん~』です。
なかなかに、声に出して読み上げたくなるタイトルですね。


登場するのは、一癖も二癖もあるキャラクターばかり。
ラブコメなのに繰り広げられる本格的な諜報戦の数々、けれどもその内容はやはりこの上ないほどに馬鹿馬鹿しい、そんな物語になっています。 

 

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』をよりブラックにしたようなイメージです。


超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~ (MF文庫J)

 

 

 

1.あらすじ

"一見普通"の高校生による「だまし愛」ラブコメ、開幕!

 

「凡田君と、もっと仲良くなりたいの!」

高校生にして秘密諜報機関を指揮する天才少女、橘黒姫は初恋の真っ最中。

好きな人のために組織の力を濫用し、超高度な諜報技術で接触を図る。

「……誰かに監視されている?」

それに勘づいたのは初恋相手・凡田純一。

一見影の薄い、平凡な男子生徒の彼は、実はある秘密を持っていて……?

「私が……凡田君と友達になるの!?」

そんな中、組織の命令で凡田と接触することになった暗殺少女・芹沢明希星。

友達の作り方なんて知らない彼女の行動は、とんでもない波乱を巻き起こす!

高校生の三角関係に裏社会の命運が揺るがされていく超本格学園スパイ・ラブコメ、開幕。

引用:超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~ (MF文庫J)

 

 

2.感想・レビュー

a.評価と情報

評価:★★★☆☆
MF文庫J
2020年3月刊行 

 

作者は方波見咲(かたばみ さく)先生。
イラストはろるあ先生です。

 

方波見先生ですが、第11回MF文庫Jライトノベル新人賞にて最優秀賞を受賞され、『ギルド〈白き盾〉の夜明譚』でデビューされています。
ギルド経営モノのファンタジー小説です。

 

『超高度かわいい諜報戦~とっても奥手な黒姫さん~』ですが、恋愛×諜報戦ということで、なかなか類をみないような作品です。
終盤ではやや盛り上がりに欠ける印象がありましたが、それでも全体を通して楽しめました。

 

b.作品内容・キャラクター紹介

恋愛×諜報戦ということで、冒頭でも触れた通り『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』とも通じるところがあるため、同作が好きな方には軽くチェックしていただきたい作品です。

 

さて、この作品について紹介していくわけですが、今回はメインキャラクターについての簡単な説明だけにとどめておきます。
作品の雰囲気を把握していただくにおいて、おそらくそれが一番わかりやすいかと思うのです。

 

凡田純一(ぼんだ じゅんいち)

表紙の少年。
名前を体現したかのような、地味で目立たない少年。

というのは、世を忍ぶ仮の姿。
彼の正体は、とある組織に所属していた凄腕のエージェント
組織からの追手をかわすため、偽装に偽装を重ねていて、日常の些細なことにまで気を張り巡らせていたのだが……。
彼の平穏は、とある少女によって崩されていくのだった。

 

橘黒姫(たちばな くろき)

表紙の少女。
才色兼備で人望も厚く、生徒会役員を務めている少女。

というのも、世を忍ぶ仮の姿。
その正体は、諜報機関『御伽衆』の長
御伽衆とは、極東を中心に活動し、いかなる権力にも属さずに、金を目的に暗躍する謎多き組織。
そんな機関のトップに立つ彼女は凡田くん以上にヤバいやつだと言えるだろう。


そんな彼女であるが、年頃の少女らしく思いを寄せる相手がいた。
その男性こそが凡田くんなのだが……。
黒姫は、こと恋愛においては恐ろしいほどに奥手なのである。
彼女は凡田くんと恋仲になるために、いやまずはお友だちから始めるために、ひたすら慎重に動き続ける。
どれくらい慎重なのかといえば、少なくない予算と人員を割き、凡田くんの趣味嗜好を探るために、組織の力をふんだんに使い監視網を張り巡らせてしまうほど。
ひどい職権乱用である。

 

ただそんなある日、彼の周囲に一人の少女の影が見え始めたことを契機に動き始めるが……、やはりチキンはどこまでいってもチキンなのであった。

 

芹沢明希星(せりざわ あきほ)

スタイル抜群で、人目を惹くほどの美少女だが、一方で人を寄せつけない雰囲気をまとっている。
いわゆる一匹狼タイプのヒロイン。

 

だが、もうお察しのことであろうが、例のごとく彼女にも裏の顔がある。
その正体は、『御伽衆』の暗殺者
それも時が来るまで日常に溶け込み、いざという時に動き出す、いわゆるスリーパー・エージェント
ただ、彼の直属の上司はすでに姿を消しており、彼女自身も末端に位置する存在であるために、組織からもほとんど忘れ去られていた。

 

そんな彼女のもとに、ついに命令が下される。
その内容は、同じ学校の少年・凡田純一の情報を集めるというものだった。
ただ、彼女は暗殺者としては一流だが、それ以外では超ポンコツ。(ポンコツかわいい。あと超いい子かわいい
彼女の突拍子もない行動の数々に、凡田はもちろんのこと、黒姫さえもかき乱されていく。

 

 

 

といった具合に、三人のキャラクターを紹介したわけですが、それぞれが裏の顔を持ち、それぞれが思惑をもって行動しているものですから、それはもう大変なことになっていきます。
勘違いに勘違いが塗り重ねられていき、カオスになっていく状況には、思わず笑いがこぼれました。
一風変わったラブコメを見たい方は、ぜひとも手に取っていただきたいです。

 

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