暇つぶしになり、飽きるほど長くもなく、それでいて安価に漫画を楽しめる5巻以内完結の漫画をいくつか紹介します。ラブコメ、学園、スポーツ、SF、ギャグと色々なジャンルの漫画を10作品取り揃えました。
僕自身が高校~社会人になるまでに読んだ漫画の中で面白いものを取りそろえたので、少年・青年漫画になっています。
それではどうぞ~。
- ①壮大なSFラブストーリー『星屑ニーナ』福島聡 全5巻
- ②絵描き高校生の人助け『幻覚ピカソ』古屋兎丸 全3巻
- ③大人二人がロケットを飛ばす『我らコンタクティ』森田るい 全1巻
- ④心理学×学園コメディ漫画『サイコろまんちか』小出もと貴 全3巻
- ⑤金の亡者の道『銭ゲバ』ジョージ秋山 文庫版上下巻
- ⑥大正ラブストーリー『大正処女御伽噺』桐丘さな 全5巻
- ⑦暴力最低教師のギャグマンガ『いいよね!米沢先生』地獄のミサワ 全4巻
- ⑧SF!宇宙遭難した高校生が地球を目指す『彼方のアストラ』篠原健太 全5巻
- ⑨冨樫は天才。『レベルE』冨樫義博 全3巻
- ⑩主人公は女子ラクロス部のマネージャー!『クロスマネジ』KAITO 全5巻
- 番外編:チャゲチャ 全1巻
- おわりに
①壮大なSFラブストーリー『星屑ニーナ』福島聡 全5巻
電池で動くロボット「星屑」が、ニーナという女子高生と出会い暮らしていく。しゃべる太陽と月、突如現れる宇宙雷魚、漫画一冊でで何十年、何百年と時間が進む壮大なSFラブストーリー。
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独特でかわいい画とともに、展開がぎゅんぎゅん進んでいきます。1000年後、地球から人間は消え、食物連鎖の頂点には知能を得た虫が…みたいな展開も刺さる人には刺さるのではと思います。また、無機質なゆえに思考回路が単純なロボットの星屑クンと、感情豊かゆえに思考回路が複雑な人間の対比が面白いです。「あの子が好きだけど、告白なんてできない!」っていう人間に、さらっと星屑クンが「なぜしないのですか?」って空気読まず言うみたいな。そして、少しずつ「人間」を学習し、人間に憧れる星屑クンが最後にどうなるのかも含めて、とっても素敵なお話でしたね。
②絵描き高校生の人助け『幻覚ピカソ』古屋兎丸 全3巻
絵ばかり描いている葉村ヒカリ(通称ピカソ)と同級生唯一の(?)友達である山本千晶は共に事故に遭ってしまう。奇跡的に一命を取りとめたピカソの前には、死んだはずの千晶が小さくなって現れる。なぜか腕が腐り始めたピカソ、それを治すには、人助けをしなければならないと千晶に言われる。人の精神世界を描き、その中にダイブできるという不思議な能力を得たピカソは、級友を助けていき…。
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・思春期の少年少女の、心の深い悩み
・絵を通じて主人公ピカソが自分と周りを変えていく
この2つのテーマを3巻という限られた巻数の中でとても綺麗に描けている作品です。
人を助けないと自分の体が腐って死ぬ!っていうのが面白いですね。特に仲良くもない級友の悩みを、インドアのピカソ君が動いて動いて解決します。結果的に友達が増えいくのも読んでいてとても楽しいです。
腕が腐ったり、死んだはずの千晶が出てきたり、最後どう回収するんだろ???と思っていましたが、ものっすごい気持ちよく終わりました。ストーリー構成うますぎます。綺麗にまとまりすぎと感じる方もいるかもしれませんが、これぞ5巻以内で完結する漫画の醍醐味だといえるような、さわやかながら心に残る読後感が、いいドラマを見た後に少し似ています。
③大人二人がロケットを飛ばす『我らコンタクティ』森田るい 全1巻
OLの椎ノ木カナエは、小学校の同級生である中平かずきと偶然再会する。
彼はたった一人でロケットを開発していた。
カナエはかずきに協力し、ロケットを宇宙へとぶち飛ばす計画を立てる。
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この漫画は森田るい先生の作品で、デビュー作ながらマンガ大賞2018の2位を獲得しています。
なんでロケット飛ばすかっていうと、宇宙で映画を上映したいからなんですよ。
かずきは、子供のころ見たUFOに映画を見せたいんですよ。
全然意味わかんないじゃないですか。
でも大人がそれにマジの全力出すんですよ。
それが面白いんですよね~。
④心理学×学園コメディ漫画『サイコろまんちか』小出もと貴 全3巻
主人公の変人女伊東ちゃん率いる「心理学研究部」が相談者の悩みを解決したりしなかったりするコメディー漫画。クールで全く笑わない女教師に、「今から10秒間全くエロイことを考えないでください」って言って、無理やりエロいこと考えさせようとしたり(心理的リアクタンス)、アホ全開。
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心理学×学園コメディの最高にくだらなくて勉強になる漫画です。
僕が今世の中で一番続編を待ち望んでいる漫画です。マジで面白いです。登場人物ほぼ全員ばか。英単語をエロい言葉と結び付けて覚えようとしたり(プライミング効果)、デブチンの多胡さんをダイエットに成功させたり(内発的動機付け)、はたまた優秀な部員を獲得するために心理学を駆使してバスケ対決してみたり(リンゲルマン効果)、わりと勉強になるのに、漫画自体が面白すぎて心理学なんも覚えられません。
また、作者が自分の黒歴史をキャラクターに詰め込んだらしく、妙にリアルな痛々しさのあるキャラたちがたまりません。リア充グループに必死についてくキョロ充の加野君がたまらん。
⑤金の亡者の道『銭ゲバ』ジョージ秋山 文庫版上下巻
貧乏な蒲郡風太郎は、いつも馬鹿にされ、病弱だった母親を医者に見捨てられて亡くしてしまう。金がないから苦しい思いをし、金がないから母を失ったと考えた風太郎は、金のためなら手段を択ばない「銭ゲバ」になっていく。
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1970年に描かれたにもかかわらず、2009年に松山ケンイチ主役で実写ドラマ化かもされた「銭ゲバ」、やはりパワーのある作品ですね。これほど目を背けたくなるほど悪の道に走る主人公もいません。
冒頭の2話ですでにこれです。↓
・よくしてくれた近所のお兄さんをお金のためにたたき殺して埋める
・働かせてくれた飯屋から速攻で50万盗む
・金持ちの車にわざとアタりに行き、金持ちの家に転がり込む
・自分の正体に気が付いた金持ちの家の使用人を殺して埋める
・それを掘り起こした犬のメリーもたたき殺す
金を手段ではなく目的にし、最後の最後まで悪を貫いた男の末路はどのようなものなのか。
⑥大正ラブストーリー『大正処女御伽噺』桐丘さな 全5巻
時は大正時代、事故で利き手を不自由にしてしまい、父親の期待を失ってしまった青年・珠彦は、養生という名目で田舎に追われる。世の全てを嫌うようになった珠彦のもとにやってきたのは、世話をする嫁にという目的で父親が買った少女・夕月であった。
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⑦暴力最低教師のギャグマンガ『いいよね!米沢先生』地獄のミサワ 全4巻
地獄のミサワ先生が描く体罰教師の漫画部顧問奮闘記。米沢の夢は、ラグビー部顧問になり不良生徒を暴力で更生させることだ。しかし、転勤した私立お茶の水学園のラグビー部はすでに廃部となっており、無理やり漫画部の顧問にさせられる。不良が全くいないことで露骨にやる気のなくなる米沢だったが、そこらへんにあった漫画を読み漫画のすばらしさに気づき、嘘つき、ストーカー、金持ち陰キャとろくな部員がいない漫画部でなんやかんや賞レースに挑戦したりする。
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もうこれ少し試し読みしてもらったら分かるんですけど、マジでくだらないんですよね。中身も何もないですよ。なんすか、よだれの効果音、「じょばー」って。
でも、この思考放棄感が読んでて楽しいんですよね、めっちゃ笑っちゃうんですよね。
マジで信じられませんよ。
まあ、何が信じられないって僕はこの漫画の単行本を探して市内の書店を巡り巡ったことですね。
結局Amazonで買いましたけど。なんか屈辱的でした。
www.kakidashitaratomaranai.info
⑧SF!宇宙遭難した高校生が地球を目指す『彼方のアストラ』篠原健太 全5巻
時は2063年、宇宙旅行が当たり前の時代。ケアード高校から無作為に選ばれた9人は惑星キャンプのため惑星マクパへと向かう。しかし、突如謎の球体が9人を吸い込み、宇宙へと放り出す。近くに浮遊していた宇宙船に避難するが、そこは惑星マクパとも地球とも遠く離れた場所だった。限られた食料、燃料の中、9人は地球を目指す。
地球へと向かううちに、9人の中にこの事件の犯人がいることが分かり…。
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週刊少年ジャンプで連載された『SKET DANCE』の作者篠原健太先生の作品です。前作の『SKET DANCE』は、学園モノで、面白いキャラやテンポのいい会話によるギャグと、見事な伏線回収と泣けるようなストーリーのシリアスな面で大人気でした。今回の『彼方のアストラ』は、それにミステリ要素が加わって違う面白さがあります。
漫画大賞2019を受賞した作品であり、それだけあって5巻なのに読みごたえがあります。
9人の生徒がそれぞれにしかない個性を生かして(植物の知識、射撃の腕、歌が得意など)ピンチを切り抜ける姿も見ていてヒヤヒヤわくわくします。
⑨冨樫は天才。『レベルE』冨樫義博 全3巻
山形県を舞台にオカルト的な要素の強い、宇宙人を題材としたSF漫画。地球にやって来たドグラ星のバカ王子が暇つぶしに起こす悪ふざけを軸とした物語がオムニバス形式で展開される。
『週刊少年ジャンプ』誌上において1995年42号から1997年3・4合併号まで掲載。『幽☆遊☆白書』に続く、作者3作目となる連載作品。「アシスタントを使わず一人で描いたらどうなるか」ということに挑戦した作品であるため、同誌としては異例の月1での連載となった。
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漫画のあらすじを含め、概要の説明が難しすぎるのでWikipediaにぶん投げました。
HUNTER×HUNTERの作者である冨樫先生の漫画です。
結論から言うと、今世の中で一番レベルが高い5巻以内完結の漫画はこれだと思います。
ストーリーが1から10まで考え抜かれています。
全部「考え抜かれている」のです。
天才がやりたいように自分の情熱を注ぎこんだ漫画なので、もはや文句もなければ感想もすごいしかでてこないです。
⑩主人公は女子ラクロス部のマネージャー!『クロスマネジ』KAITO 全5巻
サッカーを怪我で引退した櫻井 玄哲(さくらい つねのり)は、ある日、一人でラクロスの練習をする豊口美空(とよぐちみそら)と出会う。何にも熱中ができなくなっていた櫻井だったが、美空のひたむきな姿に突き動かされ、ラクロス部のマネージャーを務めることになる。
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この作者さんの描く表情がすごく好きです。
©集英社
ハーレム漫画になってもおかしくない設定ですが、バチバチにスポーツ漫画です。
ただ、5巻という巻数ではスポーツ漫画としてはあまりに出し切れていません。
それでもおすすめするのはこのショートカットの女の子、豊口美空を見る漫画として魅力があるからです。めちゃくちゃバカで真っすぐでラクロスがド下手で恋愛もしたことないようなボーイッシュな子なのですが、はぁ~とため息をつきたくなるくらいかわいいです。
番外編:チャゲチャ 全1巻
『ボボボーボ・ボーボボ』の作者である澤井啓夫さんの作品です。最高の漫画であることには間違いありませんが、脳に劇薬ゆえ決してオススメはしません。もしよければストーリーの全貌を記事にしているのでご覧ください。
www.kakidashitaratomaranai.info
おわりに
5巻以内の漫画は場所を取らなく、読み返しやすく、最後まで集中して一気に読み切ることができます。ぜひ、自分のバイブルのごとき漫画を見つけてみてください!!