すでにSNSで話題沸騰のこの漫画。
松本直也さんによるジャンプ+の新連載(2020年7月3日)です。
Twitterにて、『怪獣8号』が面白い!というとあるツイートが数万RTされてバズったのが波及し、作者さんのツイートも1万いいねがつくほどに。
「怪獣8号」少年ジャンプ+ にて連載開始しました!怪獣の死骸処理をして暮らす男カフカに起きた災難!失った夢を取り戻せるか!?
— 松本 直也 怪獣8号連載中 (@ringo_inuS) 2020年7月3日
よろしくお願いします!https://t.co/jicyep1ST9 pic.twitter.com/TSTsr5jGkz
ジャンプ+の1話目のコメント数を現在の看板漫画と比較してみると、
『SPY×FAMILY』(次に来るマンガ大賞Web部門2019年1位)が3500コメント
『地獄楽』 (次に来るマンガ大賞2018年11位)が2900コメントです。
それに対し、『怪獣8号』が4000コメントです。
もちろん、コメント数は面白さを表す度合いでもなければ、人気度の度合いでもないので作品の優劣の話ではありません。。
そもそもアプリのダウンロード数が伸び続けているので、昔より今の方が読者も多いというのもあります。
ただ、今『怪獣8号』にめちゃくちゃ勢いがあることは伝わったでしょうか!?
実際、マジで面白いです。
1ページ目からうわっめちゃくちゃいいな!!と心をつかまれました。
怪獣大国日本
その発生率は世界でも指折りである
という導入がめちゃくちゃいい。
うわーなんか日本ってたくさん怪獣でそう~って思いますもん。
さらにこの一言で、この漫画はでっかい怪獣が日常的な存在なんだなということが一発で分かります。
それも、日本でいう地震くらいかー ということも分かります。
普通、怪獣漫画やろうと思ったら、怪獣がドーンと現れて、日常が崩壊して、現実が非現実に一変して、主人公が立ち向かっていく感じだと思うんです。
でもこの漫画は、怪獣がいることが日常なんです。
めちゃくちゃ面白くないですか?
自分の生きてる世界に怪獣現れたみたいでわくわくするじゃないですか。
これって新しいと思うんですよね。
(ワールドトリガーが結構近いですけど)
というのが本記事で伝えたいことなんですけれども。それをもっと詳細に語ったり、この漫画の魅力であるキャラクターや絵についても話したいと思います。
めちゃくちゃネタバレしてるので、1話だけでも読んでください。
あらすじ(というか1話の要約)
日本は怪獣大国と呼ばれており、怪獣の発生率は世界でも指折りだ。日比野カフカ32歳は、防衛隊が討伐した怪獣の死体を解体して清掃する会社で働いていた。
カフカは幼少期に自分の住んでいた町を怪獣に破壊されたことから、防衛隊の隊員を目指していた過去を持っていた。しかし、何度も試験に落ち続け規定年齢を過ぎてしまったこと、同じく防衛隊員を目指していた幼馴染の亜白ミナ(27)が防衛隊員として大出世していることから、後悔と劣等感で鬱屈した毎日を送っていた。
ある日、市川レノ(18)という、バイトがカフカの会社に入る。レノは防衛隊を目指しており、夢をあきらめたカフカに生意気な態度をとる。
レノは、仕事を通してカフカを見直し、カフカに防衛隊員の規定年齢が上がったことを伝え、暗にもう一度防衛隊を目指すべきだと伝える。
しかし作業の終わり、急に怪獣が現れる。
カフカは間一髪でレノを助け、またレノもカフカに協力し大けがを負いながらも防衛隊が駆け付けるまでその場をしのぐ。
病院のベッドで、レノはカフカに、やっぱり夢をあきらめるなんてもったいないという。
カフカはもう一度防衛隊を目指すことを決心するが、突如目の前に現れた小型の怪獣がカフカの口に入り、カフカが人型の怪獣へと変身してしまう。
キャラクター
日比野カフカ
幼少期に自分の住んでいた町を怪獣に破壊されたことから、防衛隊の隊員を目指していた過去を持っていた。しかし、何度も試験に落ち続け規定年齢を過ぎてしまったこと、同じく防衛隊員を目指していた幼馴染の亜白ミナ(27)が防衛隊員として大出世していることから、後悔と劣等感で鬱屈した毎日を送っていた。
株式会社モンスタースイーパーではベテランの仕事ぶりで頼りにされている。
人を助けるために勝手に体が動くタイプ。
市川レノ
株式会社モンスタースイーパーにバイトで入った18歳の青年。防衛隊員を目指しており、夢をあきらめたカフカに生意気な口をきく。しかし、カフカに防衛隊員の規定年齢が引き上げられたことを伝えたり、バイトの最後にカフカに「おかげで初日乗り切れました」とお礼を言ったりと、とても素直な性格。
というかツンデレ。
亜白ミナ
カフカの幼馴染で、カフカと同様の理由から防衛隊を目指し、27歳という年齢で師団長候補に入るほどのエリート。1話でもバンバン怪獣を倒している。
カフカとは疎遠になっている。偶然会ったカフカに冷たい目線を送る。
絶対ツンデレ。
ここが面白い!『怪獣8号』の感想
さっき、さらっとワールドトリガーが近いという風に書きましたが、「日常的に怪獣が出てくる」という言葉を切り取ったときにそれがワールドトリガーにも当てはまるだけで、本質的には違います。
『怪獣8号』では「でっかい怪獣が出るというあり得ない世界観」が僕らの住む現実世界に限りなく落とし込まれています。
というか怪獣が出ること以外全部僕たちが今住んでいる現実世界のようです。
「作者この世界で怪獣清掃の仕事してた?」って疑いたくなりますもん。
具体的にどういうことかというと
怪獣が日常に溶け込んでいるのです。
・怪獣大国日本、本獣/余獣という表現→読者に地震と置き換えさせる
・「フォルティチュードは6 発生波による津波の心配はありません」という作中表記→同上
・怪獣専門清掃業者 (株)モンスタースイーパー というリアルな企業…
・清掃作業の場面で、同業他社との手分け指示まで描写がある
・怪獣の腸の掃除は鼻セン必須という細かい設定
・少子化のあおりで防衛隊の募集が33歳未満に引き上げられる規定年齢引き上げの背景
なので、怪獣の存在が浮いてないです。
作者(あるいは編集さんも)の化け物みたいな想像力で作りこまれた「もしも怪獣がこの世界にいたら」という世界観構築がやばいんです。
また、キャラクターもすごく良いなと思います。
反射で人助けをするような真っすぐな気持ちを持った主人公や、人を見下しているようで実は人をよく見ていて、素直な心を持った青年を嫌いになる人はいないと思います。
というかめちゃくちゃ好きです。
1話目だからというのもありますが、動機や感情の変化がひたすらシンプルで、さっきのキャラ説明めちゃくちゃ書きやすかったです。
あとこれは完全に僕の好みなんですが、
僕、怪獣という異形の化け物めちゃくちゃ好きなんですよ。
ジャガーンの怪人とか、ハンターハンターのキメラアントとか、ムヒョとロージーの間法律相談事務所の霊や地獄の死者などなど。
なので、絶妙にキモイ化け物をこれからも期待しております。。。
終わりに
話の作りこみからして1話目ですでに作品への愛が伝わるので、バズって世間をにぎわせただけの消費物になってほしくないですね。
コメント欄では、看板漫画が来た!とお祭り騒ぎですが、プレッシャーに感じすぎず頑張ってほしいです!何目線だよって感じですが。
以上。