どうもトフィーです。今回紹介するのは、『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』です。あのビル・ゲイツも絶賛したという名著、というと気になりませんか?
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
抵抗感を持たないで‼ これは決して難しい本ではありません。本書はたとえ話なんかも盛り込みながら、わかりやすく丁寧に進行していくために非常に読みやすい、それでいてためになる。世界100万部超の大ベストセラーとなったのも頷けます。
皆さんへの挑戦状 (世界についての3つのクイズ)
さて、早速ですが、本書から設問を3つ引用しましょう。みなさんは、どれくらい正解できますか?
「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」
A 20% B 40% C 60%
「世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子どもはどのくらいいるでしょう?」
A 20% B 50% C 80%
「いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?」
A 20% B 50% C 80%
みなさんは全部迷いなく選べましたでしょうか? 正解はすべてCです。
(ちなみに平均正答率は1問目が7%、2問目が13%。3つめは国別正答率最高がノルウェーの32%で日本は15%です。だから間違えても落胆しないで!)
ハンス・ロスリングらはこの手の12の質問を、何千人もの人々に対して行ってきました。そして、衝撃の事実がわかりました。なんと平均正答数は12問中たったの2問しかなかったこと。さらにはその中には、医学生・大学教授・科学者・企業の役員・ジャーナリストや政治家なども含まれおり、頭のいいとされるような人たちでさえも正答率が低かったということです。
多くの人が誤った見方で世界を捉えています。
ハンスは我々に問いかけます。「世界は戦争、暴力、自然災害、人災腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏人になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐつきてしまう」という先入観を持っていないかと。そう、これらは先入観です。
彼はこのような先入観を『ドラマチックすぎる世界の見方』と呼称しています。そしてこうも言っています。そんな見方をしてしまうのは、「悪徳メディア、プロパガンダ、フェイクニュース、低質な情報のせいではない」と。これらは人間の本能によるものだと。
これらの本能は、日常生活においては必要不可欠なものだけれども、ある程度抑えなければ、世界を誤った目で見てしまうことになります。それらの本能は以下の10種類です。
①分断本能、②ネガティブ本能、③直線本能、④恐怖本能、⑤過大視本能、⑥パターン本能、⑦宿命本能、⑧単純化本能、⑨犯人捜し本能、⑩焦り本能
本書ではこれらの本能とその対処法を紹介しています。わかりやすい言い回しで、たとえ話なども盛り込んで解説してくれているために、非常に読みやすい。
ここではそのうちの1つ、「分断本能」をダイジェストに紹介していきます。
【分断本能】『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』からの解説・要約
「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」
C 60%(正答率は7%)
人はしばしば「世界は分断されている」と思い込んでしまいます。分断して考えたがります。
たとえば「途上国と先進国」、「金持ちグループと貧困グループ」、「西洋諸国とその他の国々」、「あの人たちと私たち」など……。
それらの分け方はだいたい不適切です。多くの場合、分断などは存在しません。あちらとこちらと、たった2つに分けるやり方は視野を狭めてしまいます。なぜかってそれは、誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいるのですから。ハンスはデータを用いてぼくたちの幻想を壊します。
たとえば世界で最も多くの人が住んでいるのは、「高所得国」でも「低所得国」でもなく、「中所得国」だということ。そして人々を所得レベルでより細分化するとレベル1からレベル4にわけられます。「貧困層」と聞けば多くの人がイメージするのはこの中でのレベル1の人々の生活ですが、実は人口でいえばおよそ10億人。
レベル2には30億人、レベル3には20億人。そしてレベル4には10億人で、多くの日本人はここにいます。
「あの人たちと私たち」といった具合に分断して考えると、およそ30億人の人々を取りこぼしてしまうことになる……。これでは正しい支援なんかできるはずもありませんよね。
まとめとしては、話の中の「分断」を示す言葉に気がつき、大半の人がどこにいるかを探すこと。これが重要です。
分断本能についてはここまで。気になる方はぜひ現物に目を通してみてください。もっと詳しく書かれていますし、他の9項目も同じくらいにためになりますので。
他にはこんな記事を書いています。エンタメ多めですが、今回のような系統の本もちょこちょこと扱っていければと考えています。
www.kakidashitaratomaranai.info
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